福島は今季から、川崎Fで25年間選手やコーチなどを務めた寺田 周平監督が指揮を執る。「勝利するためにゴールが必要。ゴールするためにチャンスを増やすことが必要。チャンスを増やすにはボール保持が必要」と勝利から逆算し、ボールを持ったらスピード感を持ってゴールに向かう超攻撃的なスタイルを見せている。
岐阜との明治安田J3開幕戦は前半にその攻撃が機能し、針谷 岳晃のCKに新キャプテン・堂鼻 起暉が頭で合わせて14分に先制。しかし、21分に追いつかれ、62分にはミスから逆転を許すと、さらに失点を重ねて1-4で敗れた。この試合での反省を踏まえて臨んだ第2節・宮崎戦は立ち上がりから怒とうの攻撃を見せ、14分に大関 友翔の縦パスを受けた矢島 輝一が相手守備陣をかわして先制。38分には、針谷のパスを受けた大関が中央突破を図ると、巧みなドリブルからシュートを決め、2点を先取。42分にセットプレーから1点を返されたが、後半は選手を交代しながら粘り強く守り切り、2-1で今季初勝利を飾った。
クロスからの攻撃が多かった昨季までと大きく違うのは、中央突破も多く使っていること。J3では圧倒的な技術を誇る針谷(磐田から完全移籍加入)、大関(川崎Fから育成型期限付き移籍加入)の狭いところを縫うようなパスやドリブルによって、多くの決定機を作り出している。彼らのほかにも、ミドルシュートやプレースキックが得意な加藤 匠人(柏から期限付き移籍加入)や、大関とともに川崎Fから育成型期限付き移籍で加わった松長根 悠仁もチーム力の向上に寄与。昨季はなかなかチャンスを作れなかったが、岐阜戦も宮崎戦もシュート数は2ケタに達しており、攻撃サッカーは着実に定着しつつある。
福島としては上位カテゴリーのチームが相手でも、そうした攻撃的姿勢を貫きたい。宮崎戦は勝利したが、「3点目、4点目を取れなかったのが課題」と寺田監督は語っており、さらにドリブルやスルーパスで相手を崩す回数を増やし、ゴールを量産していきたい。
対する熊本はここまでのJ2で1勝1分1敗。リーグ前節・愛媛戦は14本のシュートを放ち、終了間際の大西 遼太郎のゴールで劇的勝利を飾っている。熊本も高いポゼッション能力を誇る攻撃的なチームであり、前線だけでなく、中盤の選手も積極的にゴール前へ顔を出す。就任5年目となる大木 武監督の下、攻撃的な姿勢を貫き、J3クラブ相手にしっかり勝ち切って2回戦進出を果たしたい。
攻撃的でアグレッシブなチーム同士の一戦。どちらが強気の攻めを見せられるかが勝敗のカギを握る。福島で3月にナイトゲームが行われるのは初めてで、厳しい寒さも予想されるが、雪がとけるほどの熱いサッカーでぶつかり合い、勝利を目指す。
[ 文:小林 健志 ]
