名古屋は昨季から大幅にメンバーが入れ替わっており、前線には京都からパトリック、福岡から山岸 祐也と、2ケタ得点を挙げたストライカーが新加入。守備から攻撃へのトランジションの早さを保ちつつ、“堅守”をベースとしてきた1年前よりも攻撃力が増している。
今季はキャンプから[3-5-2]の新布陣にチャレンジしていたが、開幕直前に先発組に数えていたメンバーでケガ人が多発したこともあってスタートでつまずき、明治安田J1第3節終了時まで20位に沈んでいた。しかし、フォーメーションを昨季までの[3-4-2-1]に戻し、各ポジションでカギを握る選手が復帰したことで、一気に復調。現在、首位・町田と勝点7差で、5位につけている。
一方の横浜FCは、チーム全体を見ると入れ替わりが決して少なくないわけではないが、各ポジションでの主力級の顔ぶれは変わらず。昨季までの“堅守速攻”によるリアクションサッカーから、自分たちがボールを持って試合の主導権を握る戦い方にシフトチェンジ。狙いを出せない試合が続いたが、新加入・福森 晃斗の左足から繰り出される精度の高いキックを生かしたセットプレーから得点を重ねて上位をキープすると、4月24日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・岡山戦にて、課題だった“流れからの得点”を重ねた。リーグ戦ここ数試合は個の力だけでなく、チームとして連動した攻撃の形を見せてチャンスを増やしている。
名古屋はリーグ戦でチャンスの少ない選手を優先的に出場させることが予想されるが、「普段からいろんな選手が出ているし、前線にいろんなタイプの選手がそろっていて、そのうちの誰が出てくるかが読みづらい」と、横浜FCの四方田 修平監督は警戒心を強めている。一方、横浜FCは他クラブへ武者修行に出たメンバーもいることなどから、リーグ戦の先発組も含めた総力戦が予想される。
その中でも、チーム全体の士気を高めるきっかけになった2回戦・岡山戦でプロデビューし、初ゴールも決めた小倉 陽太や、同じく初出場を飾って120分を戦い切った佐藤 颯真(JFA・Jリーグ特別指定選手)をはじめとする若手にとっては、もう一度自身の力を示すチャンスでもある。
両者は昨季、J1とルヴァンカップで四度対戦。横浜FCにとっては1分3敗と1勝もできなかった相手とのリベンジマッチになる。
互いに積み上げてきたもの、新しく取り組んできたものをぶつけ、カテゴリーの垣根を超えた熱戦を繰り広げる。
[ 文:青木 ひかる ]
