ともに荒波を乗り越えてファイナルにたどり着いた。名古屋の最大の難関は、広島と対戦した準々決勝。ホームでの第1戦を0-1で落とし、迎えたアウェイでの第2戦は、壮絶なゲームとなった。開始9分に古巣戦に臨んだパトリックのゴールで、2戦合計スコアを1-1とする。その後は相手の猛攻に遭いながらも守り切り、90分が終了。しかし、延長前半にFKを直接ネットに突き刺される。それでも最後まであきらめず、延長後半の112分に永井 謙佑のクロスが相手のオウンゴールを生み、決着はPK戦でつけることになった。
1-0で迎えた名古屋の2番手はGKのランゲラック。GKがPK戦の序盤に蹴ることは異例中の異例だが、名古屋の守護神は「普段の練習でシュートは蹴っているから」と至って冷静に決め切り、守っては2本をストップ。チームはギリギリで準決勝へ勝ち上がった。その準決勝では横浜FMと対戦し、2戦合計4-3で決勝進出を決めた。
新潟も準々決勝は明治安田J1で首位争いをしている町田が相手で、苦戦は必至とみられていた。しかし、第1戦は5-0の大勝。16分にダニーロ ゴメスの速いクロスに長倉 幹樹が合わせて先制すると、42分には高い位置でボールを奪い返し、最後は小野 裕二がゴール右スミに流し込んだ。その後、長倉が3点を追加。32分に相手に退場者が出て数的有利な状況だったとはいえ、間違いなく勢いが出た試合となった。第2戦は0-2で落としたものの、2戦合計スコアで上回って準決勝に進出した。
川崎Fと対戦した準決勝の第1戦では4点を奪ったことからも分かるように、新潟は手がつけられないほどのスペシャルな攻撃力を持っている。
そんな両者の前回対戦は9月18日に行われたJ1第29節で、名古屋が3-0で勝利している。名古屋はこの試合から永井、和泉 竜司、森島 司の3トップに変更し、前線からハードなプレッシャーを掛けることで相手の自由を奪っていった。新潟からすれば想定外のシステムで対応が遅れたことは否めないだろう。
今回も名古屋は前回対戦と同様に、マンツーマン的な守備とハードなプレスを仕掛けることが予想される。新潟は前回やられた反省をもとにどう修正していくのか、名古屋はそれをさらに上回るパフォーマンスを発揮できるのか、注目したいポイントになる。
名古屋が優勝した2021シーズンの決勝は、まだ新型コロナウイルスが流行している最中で、感染予防対策のために声出し禁止など、応援に制限がかけられた試合だった。今回は縛りがない状態での一戦で、前回と違って名古屋サポーターは思い切り声を出して応援できる。
そして、国内主要3大タイトルでの初の栄冠を狙う新潟のサポーターも多く会場に駆けつける。最高の雰囲気となる国立競技場でカップを掲げるのは名古屋か、新潟か。いずれにしても両サポーターの記憶に残る素晴らしい試合になることを期待したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]


