岐阜は今季、鹿児島をJ2昇格に導いた経験を持つ大島 康明監督を新たな指揮官として迎えた。明治安田J3第3節・北九州戦で初白星を挙げたものの、直近の2試合は逆転負けで順位は17位と、スタートダッシュに失敗した形になっている。
ただ、どちらの試合も先制点を奪うことができており、高いドリブルスキルを持つ両サイドの選手を中心にした攻撃の形は悪くない。また10番を背負う北 龍磨がボランチの位置で試合をコントロールしつつ、決定機ではしっかりゴール前に顔を出して得点を挙げている。直近の第5節・金沢戦でも目を見張るような直接FKをゴール右上角に突き刺した。「覚悟と責任感が違うから得点が入るといつも冗談半分で言っていますけど、本当にチームを勝たせたいと思っているから決まったと思います」と、リーダーシップという面でも成長を続けている。
岐阜は公式戦3連戦の2戦目。大島 康明監督は「練習でのコンディションを見て先発メンバーを考える」としているため、好調な背番号10が試合開始からピッチに立っているかは分からないが、出番があればJ1のチームを慌てさせることができるだろう。
一方で課題になるのは守備面。ただ、それは守備陣ではなく、チーム全体としての守備を指す。金沢戦では長時間相手に押し込まれ続けた中、ボールがタッチラインを割ったところで集中力が途切れ、アーリークロスから同点ゴールを決められた。それまではゴール前で全員が体を張って防いでいただけに実にもったいなかった失点。その後ヘッドダウンしてしまったことも含めて、上位カテゴリーとの対戦に臨むこのルヴァンカップでは、どんな状況になっても常に前を向いて戦っていきたい。
対する横浜FCは上り調子でこの試合に臨む。直近のJ1第6節では、それまでJ1で6戦6敗と苦手としていたC大阪に2-0で完勝。新加入の山田 康太と古巣戦の山根 永遠がゴールを決め、今季2勝目で順位を13位に上げた。
横浜FCで注目をしたい選手は、スピードのあるドリブルを武器とする村田 透馬だ。この背番号20は興国高在籍中の2018年に、特別指定選手として岐阜でJリーグデビュー。以来、岐阜サポーターから息子のように愛された選手だった。昨季に横浜FCへ完全移籍となり、今回が初めての古巣戦となる。中4日での連戦となるため先発メンバーを含めて不透明な部分はあるが、出場することがあれば、結果を出すことで温かく見守ってくれた岐阜サポーターに成長した姿を見せたいところだろう。
両チームの対戦は、ともにJ2に所属していた2019年以来となる。その年に岐阜はJ3に降格し、そこからJ2へ復帰することができていない。今季悲願のJ2昇格を果たすためにも、J1の横浜FCに自分たちのやるべきサッカーを全力でぶつけ、一定以上の手ごたえをつかむ試合にしたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
