JFLから昇格し、今季初めてJ3で戦う高知は、リーグ戦を5試合終えた段階で1勝2分2敗の15位。歩幅は大きくないものの、Jリーグで初勝点、初得点、初勝利と、一歩一歩着実に前進し、ファンを沸かせている。
今季まだ成し遂げていないのは、ホームでの勝利だ。 直近の明治安田J3第5節は、ホームで鹿児島と対戦。前半開始早々に先制を許すも、後半開始早々に鈴木 俊也と東家 聡樹のゴールで逆転に成功した。ついにホーム初勝利かと、歓喜のホイッスルを誰もが期待しながら迎えた後半アディショナルタイム、ラストプレーでまさかの失点。あと数秒守れていたらという痛恨の引き分けに、選手たちは悔しさをあらわにした。
いま最も飢えているホームでの勝利に対する執念は、大会が変わろうと、相手がJ1のG大阪であろうと、変わらないだろう。
得点源となっているのは、ここまでリーグ戦で3点を挙げ、J3得点ランキング2位タイにつけている小林 心。高知にはJFL時代から所属し、今季で3年目。自身もJリーグ初挑戦ながら、持ち前のスピードを生かしたプレーで存在感を見せている。昨季のフォーメーションでは1トップを務めていたが、今季は2トップの一角を担うことになり、最前線のFW同士の距離感を意識しているという。同じくスピードがあり、185cmの長身も武器とする東家 聡樹や、体が強く、得点への嗅覚が鋭い新谷 聖基など、FW陣との連係にも注目だ。
高知とG大阪といえば、思い出されるのは2年前、2023年6月7日の天皇杯2回戦だ。高知県代表として1回戦を勝ち上がり、相手の本拠地であるパナソニック スタジアム 吹田に乗り込んだ、当時JFLの高知。“完全アウェイ”の中、開始4分にチームが得意とするカウンターから先制点を決めたのは、小林 心だった。その後相手のオウンゴールもあり、高知が2-1で勝利。カテゴリーが3つ上のチームを相手にしたジャイアントキリングは、日本中に衝撃を与えた。今回はホームで番狂わせの再現となるのか、高知ファンの期待と関心は高い。
対するG大阪はここまでJ1を6試合戦い、3勝3敗で7位。今季の開幕戦は『フライデーナイトJリーグ』として、平日夜にもかかわらず34,860人の観客がホームに集った、C大阪との“大阪ダービー”だった。なんとしても制したい一戦だったが、2-5と大量失点で敗戦。その影響もあり、ここまで失点数は『10』とJ1ワースト3位タイとなっている。
最も得点を取っているのは10番の倉田 秋で、2得点。J1第2節・福岡戦でスタメン起用されると、早速2ゴールを決めてチームを今季初勝利に導いた。
G大阪はここまで先制した試合はすべて勝っているため、高知は得意とする縦に速いサッカーでG大阪の守りを崩し、いかに早い段階で点を取れるかが勝利のカギとなりそうだ。
前述のとおり、高知は今季まだホームで勝てていない。それどころか、ホームでの公式戦最後の勝利は、JFL時代の昨年6月30日までさかのぼる。格上相手の大金星で、ホームのサポーターを沸かせることはできるのか。
[ 文:朝井 ひなた ]
