両チームともに苦しみながら勝ち上がってきた。
大宮は3月26日に行われたいわき戦で直近の明治安田J2第6節・水戸戦から先発全選手を入れ替えて臨んだ。16分に先制点を許し、さらには32分にはDFの村上 陽介がレッドカードで一発退場に。“ダブルパンチ”を食らった格好だったが、オリオラ サンデーのゴールで前半のうちに1-1とする。しかし後半に入って、58分に勝ち越しゴールを決められて1-2のビハインドに。それでも89分、浦上 仁騎がセットプレーの流れから意地のゴールを決めて追いつく。延長戦に突入すると99分に富山 貴光が決めて逆転を果たしたものの、102分に失点を喫し、PK戦へ。8人目までもつれた中で、7-6で勝ち抜いた。
数的不利、ビハインドという状況から勝利につなげたのが、リーグ戦で出場機会の少ない選手たちということに大きな意味があった。
FC東京はロートフィールド奈良に乗り込み、塚川 孝輝を前線に据えるなどこちらもリーグ戦で出場機会の少なかった選手たちを起用して臨んだ。一進一退となった中で、スコアレスのまま試合は進む。スコアが動いたのは後半アディショナルタイムで、佐藤 恵允が倒されて得たPKを安斎 颯馬が決めて1-0で辛勝となった。
苦しみながらも勝ち上がったことに意義があり、だからこそ両者が対峙することができる。大宮には長澤 徹監督、喜名 哲裕ヘッドコーチ、戸田 光洋コーチ、それに志村 滉、アルトゥール シルバ(※現在負傷離脱中)といったFC東京在籍経験者がいる。対戦が決まった際には「また1回戦で勝ったばっかりなので」と口にしていた指揮官や、「気になるチームではあるけれど、いまは大宮のことに必死なので」と話していた戸田 光洋コーチとしても、古巣と顔を合わせることになるこの機会を楽しみにしていないことはないだろう。
両者の前回対戦は2017年8月9日までさかのぼる。J1の舞台で対戦したのが最後だ。大宮にとってホームでのFC東京戦は公式戦14戦で2勝12敗(うち1勝は延長戦を戦った上での勝利)とかなり相性が悪いが、いまは昔。チームカラーも(オレンジ1色からオレンジとネイビーの2色に)、チーム名も変わった中で迎えるこの試合ということになる。なお、その前回対戦時には和田 拓也(大宮)、橋本 拳人(FC東京)が出場していた。
大宮は直近の明治安田J2第9節で秋田に2-1で勝利。リーグ戦で3試合ぶりに勝点3を獲得し、2位をキープしている。FC東京は国立競技場で行われたJ1第10節で柏と対戦し、リードして迎えた後半アディショナルタイムに失点を喫して1-1の引き分け。それでも仲川 輝人に今季公式戦初ゴールが生まれたことは朗報だろう。
8年ぶりに公式戦で相まみえる両者が、どんな戦いを見せるのか。東京からも多くのファン・サポーターが詰めかけるはずで、熱気の中で行われる試合になることは間違いないだろう。なお、大宮は今季ホームゲームで5勝1分(※PK勝ちを含む)と絶対的な強さを誇っている。勝利の女神はどちらにほほ笑むか。
[ 文:田中 直希 ]

