連覇へ向けた新たなシーズン、神戸は開幕から順調な滑り出しを切っている。磐田との開幕戦で勝利を飾り、第2節で柏に敗れたものの、そこからは2勝2分と4戦負けなし。勝点11を積み上げて4位につける。どのチームも実力伯仲の気配を漂わせる序盤戦ながら、着実に上位を維持している状況だ。
水曜開催だった前節・鳥栖戦は相手の粘りを前に勝ち切れなかったが、攻守に見せ場は作った。前線から後方までが一体となって組織された強固な守備、ボールを持てば絶えず前を狙い、味方を追い越しながらゴールに肉薄するダイナミックな攻撃。長いボールで神戸のハイプレスをかわしにきた相手にも動じることなく、高強度を押し出したサッカーを展開し続けた。
連覇を目指している中での勝点1は、一見すれば不満足感が漂う。ただ、トライ&エラーの繰り返しの大切さは吉田 孝行監督をはじめ、選手の誰もが共有していること。アウェイでのドローという結果に内在する経験は、貴重過ぎる土産物だ。
本拠地・ノエスタでの試合は、先週土曜に行われた前々節・札幌戦で6-1の圧勝を飾ったばかり。興奮の余韻が残る状況だが、チームはいつもどおりの“一戦必勝”でキックオフへの準備を進めていることだろう。横浜FMという最強のライバル撃破に向け、チーム一丸で立ち向かうのみだ。
一方、昨季2位の横浜FMはここまで5戦を消化し、2勝1分2敗と五分の戦績。前節はホームで川崎Fとの“神奈川ダービー”を戦った。スコアレスドローに終わったが、試合内容を見ればクオリティーの高さをまざまざと見せつける時間だったとも言えるだろう。攻撃的に仕掛けるチームスタイルの下、攻撃的な守備やチャンスの作り出し方など、攻守に連動したサッカーはさすがの感を漂わせた。勝てなかったことに悔いも強そうだが、前々節では名古屋に敗れており、連敗を回避したことは今後を見据えても大きなこと。川崎F戦に続く“シックスポイントマッチ”へ、集中力を高めて臨むことになる。
互いに高い位置から守備を仕掛け、ボールを持てば相手ゴール方向に積極的にアクションを起こしていくアグレッシブさが持ち味。卓越したハイインテンシティーやスピードを伴った連動性を有しているのも同じだ。連戦の3試合目であり、コンディション面の厳しさがあるタイミングでの試合だが、球際の争い、攻守の切り替え、スライドで後手を踏めば流れを失うことは明白。ベンチスタートの選手を含めてハードワークの貫徹にこだわることになる。
J1屈指の技術やフィジカルが正面衝突する、サッカーというスポーツのスペクタクル性に浸ること必至の90分。日曜午後、深紅とトリコロールのサポーターを巻き込んでノエスタが沸騰する。
[ 文:小野 慶太 ]
