横浜FMは3戦未勝利で迎えた前節、アウェイに乗り込んで鹿島との“2位・3位対決”に臨んだ。リズムをつかめなかった序盤にCKから先制を許したが、ピッチ内でポジショニングや意思共有を修正すると、34分にアンデルソン ロペスのゴールで同点に追いつく。後半は頭からギアを上げて入ると、またもアンデルソン ロペスがネットを揺らして逆転する。その後は何度かあった決定機こそ仕留められなかったものの、2-1で競り勝った。
CBは懸案だったが、鹿島戦では左利きの角田 涼太朗が右CBで起用された。その結果、前節までの3戦で7失点を喫していた最終ラインが安定。同じ左利きの左CBエドゥアルドとの関係も良好で、シーズン残り約2カ月に一定のメドが立った。おそらく鹿島戦のパフォーマンスを踏まえれば、今節も同じユニットが選択される可能性は高い。ケヴィン マスカット監督は言う。
「前線の守備が相手にどう影響を与えるか。その上で最終ラインの選手にプレー機会が回ってくることが大事になる。単純に出ていた選手を外し、違う選手を起用したことだけが良くなった理由ではない。ただ、その一方で鹿島戦では20分過ぎからはより強さが見えた」 指揮官は“良い守備”にはファーストディフェンスや前線の献身性が欠かせないという見解を示した上で、守備陣のパフォーマンス向上を認める。これまでの神戸戦の傾向として、神戸はSBの裏に対角のフィードを多用してくるだけに、今節は裏のスペース対応を含めたDF陣の継続性が求められる。
対する神戸は前々節で広島に0-2で完敗して迎えた前節、C大阪と対戦。2試合ぶりに先発した佐々木 大樹が奪った虎の子の1点を守り切り、首位を堅持した。「『これぞ神戸』という試合ができた」と吉田 孝行監督が胸を張ったように内容も上々。高強度のハイプレスと球際の強さでC大阪を上回り、手ごたえ十分の中、勢いよくアウェイの地に乗り込んでくる。
しかし、リーグ戦に限れば、横浜FMに5連敗中と2021年以降、一度も勝てていない。これまでと同様、ロングボールを多用する戦い方を選択するのであれば、セカンドボール争いを制さない限り、勝利の芽は見えてこない。
そこで重要となるのが、逆三角形型に配置する中盤の人選。特にアンカーは8月に大ケガを負った齊藤 未月の後任が定まっていない。勝利したC大阪戦でリーグ戦今季初先発を果たし、古巣戦となる扇原 貴宏の連続起用が定石だろうが、大﨑 玲央も控えており、吉田監督の決断が注目される。
[ 文:大林 洋平 ]

