ホームの神戸は前節、アウェイで町田と対戦。激しい雨や風にさらされる過酷なコンディション下での戦いだったが、序盤から相手の圧力に押され、難しい試合展開に陥る。ミドルシュートでゴールネットを揺らされ、前半だけで0-2。追いかける後半は交代カードを駆使しながら守備ブロックの攻略に挑んだが、最後まで得点を奪うことはできなかった。前々節・岡山戦の勝利で首位に立っていたものの、別会場で勝利した鹿島、柏に抜かれて3位に後退。いま一度、仕切り直しのタイミングを迎えている。
その試合を踏まえ、主将の山川 哲史はこう今節へ向けての修正ポイントを挙げた。「全体の距離感が良ければ攻撃もうまくいく。攻撃がうまくいけば、相手がクリアしたボールを奪って2次攻撃、3次攻撃につなげられる。とにかく人と人の距離感、縦と横のコンパクトさがもう少し必要になる」。コンパクトな陣形は神戸の生命線だ。吉田 孝行監督や酒井 高徳らも口酸っぱく話してきたことであり、それをホームのピッチで取り戻したい試合にもなるだろう。
また、町田戦では負傷離脱していた大迫 勇也やジェアン パトリッキが復帰できたことも朗報だ。さらに13日に公開された練習では、武藤 嘉紀もすべての練習をこなし、随所に鋭い動きを見せていた。出場こそ流動的だが、前線の『競争と共存』の熱量はいよいよ高まっており、山川 哲史は「それぞれに優れた能力がある。帰ってきてくれたのはチームとして大きいし、途中からでもチームを勝たせるために戦ってくれる選手もたくさんいる」と心強さを伝える。全体感を盛り上げ、今節のピッチに立つ。
一方、前監督の四方田 修平氏から三浦 文丈コーチに指揮棒が渡され、新体制初戦を迎えた前節の横浜FC。ホームに浦和を迎えた一戦は1-2で敗れ、新監督の初陣を勝利で飾ることはできなかった。これで7連敗かつ8試合勝利から遠ざかっており、降格圏から抜け出せない状況が続く。特にここ8試合で4得点しか奪えておらず、いかに得点機会を創出していくかは大きなテーマになっている。
そうした中、前節は今夏の新加入選手であるアダイウトンが後半アディショナルタイムにゴールといきなり結果を出したことは明るい材料だ。櫻川 ソロモンやルキアンなど、力のあるFWが前線にはそろっており、セットプレーを含めて得点を奪う形を早急に見いだすことが大切になりそう。また、右CBの主力を担ってきた伊藤 槙人が前節で退場し、今節は出場停止。神戸の強力攻撃陣を抑えるために最終ラインの整備も重要となる。
第8節の前回対戦では、74分に途中出場のエリキが得点を決めた神戸に軍配が上がったが、互いに譲らぬ接戦を演じた。勝つための明快な理由を持つ両者の対戦は、序盤から激しいぶつかり合いが予想される。
[ 文:小野 慶太 ]
