横浜FCは天皇杯3回戦で高知ユナイテッドSCに敗れたため、再開前に行われたラウンド16を戦うことなく、この3週間を丸ごとトレーニングに費やした。重点的に取り組んだのは「守備をより堅く、そこから良いカウンターを増やしていくこと」(四方田 修平監督)だった。
開幕10戦で計27失点を喫した守備は、第11節・新潟戦で3バックに変更し、堅守速攻に舵を切って、それ以降の11試合は計14失点に半減と大幅に改善した。それによって勝点をコツコツと重ね、最下位を脱して中断期間に入ることができた。一方、その11試合での得点数は『7』しかなく、第14節・川崎F戦を最後に勝利がない。
「点を取らないと勝点3は取れない」(四方田監督)が、前々節・川崎F戦では攻撃に意識が傾いたあまり、守備がおろそかになって、0-3と大敗した。堅守を維持した上で得点を増やすには、少ない人数で速く攻め切るカウンターを磨くしかない。“良い形”でボールを奪う回数を増やし、そこからフィニッシュにつなげる質を上げていく。先週末には大学チームと練習試合を行い、「流れの中から失点はなかったし、攻撃では良い形が出て点も多く取れた」(井上 潮音)と手ごたえを得たようだ。
一方の神戸は中断期間が短かった。6月3日に予定されていた第16節・川崎F戦が台風2号の影響で延期となり、7月22日に代替開催。2-2のドローで勝点1を積み、2位・横浜FMと勝点1差の首位に立っている。そして、8月2日には天皇杯ラウンド16で甲府と戦い、4-1と大勝した。
実質的には約1週間のブレイクしかなかった。結果が出ていることもあり、何か手を加えるというよりも、選手個々の優位性を生かす戦い方をブレずにやり抜くことがいまは大事だろう。甲府戦でも0-1で迎えたハーフタイムに大迫 勇也、武藤 嘉紀を投入して本来の戦い方が戻ると、大量得点を奪った。大迫はリーグ戦で16ゴール4アシスト、武藤は8ゴール9アシスト。その2人にどんどんロングボールを入れ、奪われてもそこから強度の高いプレスで奪い返すのが今季の神戸の戦い方だ。
堅守速攻の横浜FCにとっては苦手なタイプと言える。「難しい相手なのは分かっている」と山下 諒也は認めた上で、「だからこそ、(勝つことに)価値がある。首位に対して勝つことで、自分たちが連勝を重ねていくための大事な試合になると思う」と前を向いた。中断期間に積み上げてきたものをぶつけ、勝点を得られれば残留への大きな自信となるだろう。
[ 文:芥川 和久 ]
