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【J2:第36節 水戸 vs 岡山】プレビュー:「成功体験」を経て成長した両チーム。水戸は攻守ゴール前での強さで岡山を圧倒し、「5強時代」到来を高らかに宣言したい。(09.08.30)

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8月30日(日)J2 第36節 水戸 vs 岡山(18:00KICK OFF/笠松
スカパー!生中継 Ch173 17:50〜(解説:遠藤雅大、実況:中村義昭、リポーター:佐藤愛美)
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サッカーにおいて、ピッチを3等分に分けて考えられることがある。敵陣ゴール側のエリアをアタッキングサード、中央のエリアをミドルサード、自陣ゴール側のエリアをディフェンディングサードと呼ぶのが一般的だ。

日本のサッカーはミドルサードが強く、敵陣と自陣ゴール側エリアは弱いとされてきた。しかし、水戸のサッカーは一線を画している。ミドルサードよりも両ゴール側エリアで強さを発揮しているのだ。中央のエリアでのプレーは決して得意ではないが、ゴール前の強さはリーグでも屈指と言っていいだろう。前節も首位のC大阪に対し、主導権を握られ続けたが、自陣ゴール前で粘り強い守備を見せてゴールを許さず、そして相手ゴール前では数少ないチャンスを確実にモノにして、勝利することとなった。7月から8勝2分1敗と好成績を挙げている水戸だが、チャンスよりもピンチの数が多かった試合がほとんど。それでもしっかり体を張ってピンチをしのぎきり、そして決めるところをきっちり決めることで勝利を重ねてきた。「ゴールを守る、ゴールを奪うというのがサッカーのすべてだと思っている」という木山隆之監督のサッカー哲学がピッチ上に如実に反映されていることが水戸の強さの秘訣である。

そんな水戸を支えているものは「成功体験」なのではないだろうか。リーグ序盤から勝利を重ねてきてチームに自信が芽生えてきたことも大きいが、日々の練習においての「成功体験」がチームにとって大きいように思われる。「練習でやったことしか試合に出ない」と木山監督が言うように、木山監督のメッセージ性の強い練習が選手たちの血となり骨となっていることは間違いない。たとえば、センタリングシュートにおいて、他のチームでは通常の横幅で行うことが多いが、水戸は「少し横幅を狭めてやっている」(木山監督)。それにより、精度が増し、ゴールを決める回数が多くなっている。そうした練習を積み重ねることで選手たちは自信を深めることができているのである。シュート練習だけでなく、紅白戦をハーフコートや30m四方のエリアで行うことでゴール前でのプレーが増えるようになり、フィニッシュの精度やコンビネーションが高まっているのである。

「成功体験を積み重ねないと選手たちのよさは出ない。出来る限り選手たちには成功できるようにさせたい。それが練習の意義だと思う」と木山監督は語る。水戸には高崎寛之や荒田智之という強烈なストライカーがいるが、彼らが存在感を示せているのも、そうした練習の成果があるからであり、周囲との絶妙な連携があるからこそ。木山流トレーニングの賜物と言えよう。

そして、攻撃陣が力をつけるということは対峙する守備の能力も上がることとなる。「成功体験」を経て強力になった攻撃を食い止めるという「成功体験」を繰り返すことで守備陣も自信を深めていった。第1クールでまず攻撃が強くなり、そして第2クールで守備力が飛躍的に向上したが、木山監督が攻守両面におけるゴール前での強さを求めてきたことから考えると、自然の流れと言えるだろう。

攻守がガッチリかみ合って挑んだ第3クール初戦で首位のC大阪を撃破。チームが得た自信は相当に大きなものであることは言うまでもない。チームとして完成されつつある水戸がいよいよ昇格争いに加わる権利を得ることとなった。その権利を確実なものにするためにもこの試合は絶対に勝たないといけない一戦だ。相手は16位の岡山だが、「相手がどこでも同じ気持ちで戦う」と木山監督は言い切る。前節同様ゴール前での強さで岡山を圧倒し、「5強時代」到来を高らかに宣言するためだけに水戸はこの一戦に挑む。

岡山は順位こそ16位に低迷しているが、現在5試合負けなしという好調を維持しており、「侮れない相手」(大和田真史)である。岡山も「成功体験」を経て、チーム力が向上したチームだ。約1ヵ月半前の第28節愛媛戦後、西野晃平はこう言っていた。「今の岡山は07年の水戸に似ている。本当にいいサッカーができるようになっているけど、最後のところが足りない。ちょっとしたきっかけでチームは劇的に変わると思う」。そのきっかけが第32節の東京V戦となった。前半で2失点する苦しい展開となったが、それでも岡山は前を向いて反撃を開始。後半に3点を奪って逆転勝ちをしたのである。得点力不足にあえいでいたチームにとってゴール量産は大きな自信となり、その後4試合で8ゴールを決める破壊力を見せるようになった。それまで貫いてきたパスサッカーがついに開花した岡山。絶対的な自信を胸に水戸に乗り込んでくるに違いない。順位の差があれども、互角の戦いが演じられることとなるだろう。

しかし、前節、3戦連続ゴールを決め、目下チーム得点王の西野が全治6ヶ月の負傷。やっと調子に乗ってきたチームにとってあまりにも大きな痛手と言えるだろう。とはいえ、「西野がいれば、岡山がやってくることが予測できるけど、相手がどう来るか読めない。やりづらくなった」と木山監督は頭を悩ませることとなり、さらに、岡山の選手たちも「西野のために」という強い思いを持ってこの一戦に挑んでくるはず。「西野不在」がどう転ぶかもこの試合の見所のひとつとなることだろう。

ともに「成功体験」を経て、成長してきたチーム同士。水戸は昇格争いに勝ち抜くために、岡山は手にした自信を確信にするために、この試合での勝点3が求められる。新たな「成功体験」を積んでさらなる飛躍を遂げるのは、はたしてどちらのチームか。

以上

2009.08.28 Reported by 佐藤拓也
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