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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

ご当地プレート

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第16話でご紹介した「ご当地ナンバー」とは、自動車のナンバープレートに記された地名のこと。従来の運輸支局の数87に対し、特別ルールにより2006年10月から新たに19が加わった。Jクラブの存在と同様に、地域の動く広告塔として、また地域の誇りやシティセールスに効果を発揮している。だが、日本の道路運送車両法上では、米国のようにプレートの形状に独自性を持たせる工夫までは認められない。 排気量125cc以下のバイク(いわゆる原付バイク)には、その「形状」や「図柄」に明確な規定はなく、安全運転に影響するものでない限り変更することは可能である。その権限は、自動車と異なり課税管理者である市町村単位の地方自治体にある。したがって、ナンバープレートに記された地名は、すべて各市町村名である。

これに着目した愛媛FCの本拠地:松山市は、2007年7月に「ご当地プレート」の先陣を切り、当地を舞台にした司馬遼太郎の小説に因んで、白い雲の形をした「坂の上の雲」プレートを導入した。 「ご当地プレート」を制作する楽しい動きは、全国に広がりつつある。北から例を挙げると、サメの水揚げ日本一の気仙沼市(岩手)は飛び跳ねる「サメ」の図柄、ササニシキ米の産地:登米市(宮城)では「米」の形状、将棋のまち天童市(山形)は「駒」のかたちにした。生産量日本一の「サクランボ」の図柄を入れたのは東根市(山形)、真田氏発祥の上田市(長野)は城(櫓)をモチーフに旗印の「六文銭」をとりいれた。「ご当地ナンバー」富士山ナンバーの車が走る御殿場市(静岡)はもちろん「富士山」の形、児童文学作家:椋鳩十の生誕地:喬木村(長野)では村の木から「イチョウの葉」を描きいれ、瀬戸内の尾道市(広島)は「船」の形に「波」の図柄をほどこす・・・ 全国の1,760市区町村には、約930万台の原付バイクが登録されている。それぞれのまちのバイクが、独自のデザインのプレートをつけて走る。

あのまちはどんなデザインだろうかと、思わず調べてみたくなる。個性豊かな「ご当地プレート」のデザインは、言い換えれば、市民みんなで考えた「町の紋章(エンブレム)」である。旗、バッジ、シールなど市民生活への応用範囲はひろがる。既存の市章は、どれも住民には馴染みのない印象の薄いものが多く、市役所の書類上の存在にとどまっている。 小さな村で生まれた「ご当地プレート」のデザインが“村章”として採用されれば、こんどは、村章をエンブレムにした“おらが村のスポーツクラブ”をつくってみたくなる。