栃木は3回戦でJ1の横浜FMに2-0で勝利。大方の予想を覆して勝ち切り、ラウンド16進出を果たした。
直前のリーグ戦からスタメン10人を入れ替えるなどフレッシュなメンバーで臨んだ横浜FM戦は、1-0で勝利した2回戦・岡山戦と同様、栃木らしいチーム一体となった守備で応戦した。それでも相手に何度も決定機を作られたが、GK藤田 和輝がたびたびファインセーブを見せるなど、最後まで集中を切らすことなく零封に成功した。
攻めては少ないチャンスをしっかりとモノにし、58分に神戸 康輔が思い切りの良いミドルシュートからプロ初ゴールを突き刺すと、終了間際にはジュニーニョが2点目を奪い取って勝負を決めた。
今季の栃木はリーグ戦においてレギュラーメンバーを固定することなく、競争意識を煽りながらさまざまな選手たちが先発出場のチャンスをつかむなど、戦力の底上げを志向してきた。その好循環がメンバーを大幅に入れ替えて臨む天皇杯での戦いぶりと結果に表れており、この京都戦も、誰が出場しても栃木らしい粘り強い戦いは示せるだろう。
また、栃木の時崎 悠監督と京都の曺 貴裁監督は湘南でコーチと監督の関係だった時期があり、師弟対決が実現する。横浜FM戦の直後に時崎監督は、「次のラウンド16では僕が尊敬する曺さんが率いる京都と対戦できるので、またいろいろと学ぶことができると思います」と言及し、対戦を心待ちにしている様子だった。
栃木はクラブの歴史として初めてラウンド16に足を踏み入れており、ここから先は未知の世界となるが、J1の相手にチャレンジャーとして立ち向かうだけだろう。
対する京都は、2回戦でJFLの高知ユナイテッドSCを延長戦の末に3-1で撃破すると、3回戦では同じJ1の清水と対峙。中野 桂太のゴールで先制するとそのまま逃げ切り、ラウンド16進出を決めた。
京都は直近のリーグ戦では順位の近い福岡に0-1で敗れ、12位に後退した。曺 貴裁監督は接戦をモノにできなかった試合を振り返り、「同じ相手に2回負けたことを次の天皇杯や(リーグ次節の)広島さんとの試合に生かさないといけない」と言及。敗戦を受けて、この栃木戦に向けてチームのネジを締め直すことを示唆した。
今回対峙する栃木は、今季の明治安田J2において第26節終了時点で失点数が3番目に少ないなど、組織的な守備を持ち味とするチーム。ボールを保持することになるであろう京都としては、いかに堅守を崩してゴールを奪えるかが焦点となる。
京都がJ2勢として挑戦した昨年度の天皇杯では、ラウンド16でJ1の浦和に敗戦して大会を去っている。J1チームとして挑む今大会で目指すのはその先だ。格上として違いを見せつけたいところだ。
[ 文:鈴木 康浩 ]

