熊本は8勝6分7敗の勝点30、8位でリーグ前半戦を終えた。昨季の明治安田J2前半戦終了時点と勝点は同じ、順位も1つ上と状況は大きく変わらないが、得点は増えた一方で失点は減っており、数字の面では昨季を上回っている。
J1参入プレーオフに進んだ昨季のチームから主力選手の半数近くが移籍。また、今季チーム最多の9得点を挙げていた石川 大地をはじめ、複数の負傷離脱者が出ている状況を踏まえれば、今季から加入した選手たちにもチームとして目指す戦いが浸透し、試合を重ねて成熟しつつあると言える。
ただ、チーム内で設定した『7試合ごとに勝点13』という目標には届いていないのが現状。加えて、4-0と大勝したリーグ前節・藤枝戦後に大木 武監督が「交代で出た選手が良くなかった」と述べているように、リーグ後半戦の浮上と昨季を上回る成績でのフィニッシュを実現するためには、チーム全体の底上げが不可欠。連戦でもメンバーを大きく入れ替える可能性は低いが、その中でクオリティーを維持できるか、またリーグ戦での出場時間が短い選手がどれだけ存在感を示せるかがカギを握る。
一方の琉球は沖縄県代表としての出場。県予選決勝ではJFLの沖縄SVを2-0で下した。日曜日に行われたリーグ前節・FC大阪戦から試合間隔が短いハードなアウェイ連戦となるが、結果を出し、リーグ戦での浮上につなげたいところ。
昨季はヘッドコーチだった倉貫 一毅氏が監督に就任し、今季は開幕2連勝を飾ったものの、その後は二度の3連敗を喫するなど結果が出ず、倉貫監督は解任に。後任として、昨季途中まで監督としてチームを率い、今年からスポーツダイレクター補佐兼アカデミーアドバイザーに就いていた喜名 哲裕氏が、暫定での指揮を経て、6月14日に監督に就任している。
FC大阪戦は前半終了間際にロングスローから先制を許し、後半に立て続けに2失点して0-3で敗戦。ただ、相手にボールを持たれる時間帯でもしっかりとした守備ブロックを敷き、はね返す時間帯もあった。また、リードを奪われて以降は途中出場の阿部 拓馬や柳 貴博、金崎 夢生がチャンスを作っている。無得点で敗戦したものの、集中してしのぎ、決定機を逃さずに得点に結びつけることで自分たちのペースに持ち込む力はある。
昨季のJ2での対戦では、ボールを握らせながら早い切り替えや背後を狙う形から得点につなげて熊本に2勝しており、悪いイメージはないはず。喜名監督にとっては現役時代にプレーした古巣であり、昨季途中、いったんチームの指揮から離れたあとにはトレーニングの様子を視察するなど、熊本の狙いややり方はインプットされているだろう。
熊本が昨季の借りを返すか、それとも琉球が下克上を果たすか、注目の一戦だ。
[ 文:井芹 貴志 ]


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