リーグ戦の合間に行われるこの試合。名古屋は先週末に行われた明治安田J1第20節で首位の横浜FMと対戦。勝てば勝点差1に迫るチャンスで、今季最大の天王山とも言える戦いだったが、結果は2-2の引き分けで終わった。
勝点で王者に詰め寄ることはできなかったが、内容的にはより多くのチャンスを作った充実の戦いぶりで、その流れをこの天皇杯に持ち込みたい。
ただ、メンタル的にも体力的にも張り詰めた試合から中3日ということで、主力の出場は限定的になるものと思われる。逆に言えば、出場機会を得る選手にとっては絶好のアピールの機会であり、もしかしたら今季最後のチャンスかもしれない。
特に注目したいのは、酒井 宣福、レオナルド、貴田 遼河といったFWの選手たちだ。クラブはこの夏、札幌から中島 大嘉を期限付き移籍で獲得し、FCユトレヒト(オランダ)へ期限付き移籍していた前田 直輝が復帰と、攻撃的なカードが2枚増えた。
もちろん主力組にも刺激のある補強だが、ベンチメンバーにはより危機感が生まれているはず。彼らが登録の関係で出場できない間に“結果が出せる”ことを印象づけておきたい。横浜FM戦では酒井と貴田が途中出場し、2人のコンビネーションからチャンスを作っていた。今回はそれを結果にすることが求められる。
中盤から後ろのポジションでは、吉田 温紀にスポットを当てたい。名古屋の育成組織出身でプロ2年目。今季のリーグ戦では、ベンチ入りこそしているものの、出場機会がない。主戦場とするボランチは米本 拓司や稲垣 祥がチームの心臓となり、内田 宅哉や山田 陸も台頭してきた。吉田はU-18時代にCBも経験しており、練習試合でもそのポジションで試されている。
今回、起用されるならそのCBになると思われるが、もともとボランチであるだけにパスのセンスもあり、セットプレーからの得点能力も高い。潜在能力としては藤井 陽也にも匹敵するという声もあるほど。天皇杯で活躍し、リーグ戦での出場につなげたいところだ。
対する仙台はJ2で13位。開幕前はJ1昇格候補に挙げられていたが、現在リーグ戦6試合勝利なし。公式戦で最後に勝ったのは6月7日に行われた天皇杯2回戦・藤枝戦と、苦しい戦いを強いられている。特にこの6試合で15失点と守備が不安定で、リーグ前節・栃木戦(2△2)は二度追いついたものの、逆転するまでには至らなかった。
仙台は日程的にも厳しく、この3回戦は公式戦5連戦の4試合目。しかも遠征が続いている。名古屋と同様にリーグ戦からのメンバー変更がありそうだが、逆に「上位を食ってやろう」というモチベーションは高いはず。名古屋とは2021年以来の対戦となるが、過去5戦で2勝2分1敗と比較的相性が良い。
何より復調を願うサポーターの後押しを受けて、J1で上位争いをしている名古屋に一泡吹かせたいところだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]