柏は5月に監督交代があり、井原 正巳ヘッドコーチが新監督に就任したものの、リーグ戦はそこからいまだ勝利なし。浮上のきっかけをつかめず、リーグ戦21試合を終えて勝点は『14』。厳しいチーム状況にあるのは間違いない。リーグ前節・G大阪戦後からの中断期間では「失点が多いので、まず全員で組織的に守備をするところに取り組んでいる。攻撃ではチャンスを作れている部分も多少あるが、アタッキングサードでのイメージ共有やラストパスの精度(向上)に取り組んでいる」(小屋松 知哉)と課題を見つめ直し、改善を図った。「現実的にいまは上(を目指す)というよりは、しっかり残留する、早く(残留争いから)抜け出すところ(が重要)だと思う」と小屋松が話すように、柏は着実に結果を残せるチームに生まれ変わる必要がある。
7月24日には経験豊富なCB犬飼 智也の期限付き移籍加入合意が発表された。全体練習に合流した初日には「自分のやれることはやり切るつもり。試合に勝ちにきた」と頼もしいコメントを残していたが、今大会は浦和所属時に出場しているため、柏の選手としては出場できない。それでも、彼の加入はチームメート、特にDF陣にとっては大きな刺激となるだろう。清水に在籍していた際、同僚だった立田 悠悟は「ポジション争いという部分でみんなピリッとすると思うし、(犬飼が)いるだけで僕自身はかなり違う。あの人に何があって、自分に何が足りないのかしっかり見つめ直さないといけないし、超えていけるように」と心を燃やしていた。立田をはじめ、守備陣の奮闘に期待したい。
リーグ戦では苦戦を強いられている柏だが、天皇杯はここまで2試合とも複数得点を挙げ、計1失点に抑えている。この流れを継続して前回大会は敗れたラウンド16を突破し、週末のリーグ再開初戦につなげたい。
その柏と対戦する札幌は、現在リーグ戦で勝点27を積み上げている。ただ、リーグ戦直近5試合は2分3敗と勝利から遠ざかっており、持ち前の攻撃力も影を潜めている。中断期間前の最後の試合となったリーグ前節・新潟戦では、相手に退場者が出る有利な状況になりながらも、完封負け。試合後会見でペトロヴィッチ監督は「われわれは決してチャンスがなかったわけではない。ただし、なかなか本来の力を出せなかった」と総括した。
札幌は金子 拓郎がディナモ・ザグレブ(クロアチア)に期限付き移籍するなど、複数名の選手が今夏の移籍ウインドーでチームを離れた。7月31日正午時点では新戦力の加入は発表されておらず、既存選手の奮起に期待したい。天皇杯は5年ぶりのラウンド16進出。ベスト8にも進出したいところだ。
今季、両者はJ1第16節で対戦しているが、そのときは乱打戦の末に5-4で札幌が勝利した。今回はどちらのチームに勝利の女神がほほ笑むのか。試合は8月2日水曜日19時、三協フロンテア柏スタジアムでキックオフだ。
[ 文:藤井 匠 ]
