ともに直近の公式戦からは中2日で、九州から移動を経ての試合となる。
松橋 力蔵監督体制3年目の新潟は、主導権を握るためにボールを保持するプレースタイルを継続。J1昇格2年目の今季は対策され、アタッキングサードでの崩しに苦戦している。その一方で、自陣で相手を引きつけて背後を大胆に狙う形や、意図的に構築されたセットプレーからの得点も増やすなど、攻撃の幅を広げている。
また、4月以降は負傷者が相次いで発生したものの、主将の堀米 悠斗や、攻撃のアイディアが豊富な小野 裕二、高木 善朗、長谷川 元希が合流。彼らが不在中にスタメンとして躍動した大卒ルーキー・奥村 仁の成長も著しく、ここから選手層が厚くなることは好材料だ。
現在15位につけている明治安田J1の中断期間中には、JリーグYBCルヴァンカップを戦った。9日には長崎の本拠地でプレーオフラウンド第2戦を戦い、5日の第1戦との合計3-2でプライムラウンド進出を決めた。1日に行われたJ1第17節でリーグ首位・町田を倒して以降、公式戦3試合負けなしと勝負強さを見せている。
注目選手は長倉 幹樹。豊富な運動量で攻守に献身的に走り、長崎との第2戦では勝負を分ける貴重なゴールを決めて、チームを2015年以来となるベスト8に導いた。直近の公式戦8試合でスタメン出場を続ける中で、4得点を奪っている。試合に出るたびに調子を上げていくストライカーの活躍に期待がかかる。
一方、現在J3で13位の北九州は、昨季J3で最下位だった結果を受けて、今季は体制を一新。昨季途中からJ3鳥取を率いて18位から6位へと躍進させた増本 浩平監督を新監督に招聘した。選手も約半数を入れ替えてリフレッシュ。41歳の指揮官の下、将来有望な若いタレントと、経験豊富な即戦力を迎えた。主将の井澤 春輝を中心に、ビルドアップや素早いカウンターなど、状況に応じた手段を選択しながら、躍動感あふれるサッカーを表現している。
1回戦では鹿児島県代表の鹿屋体育大と対戦。プロの矜持を示し、3-0で勝利した。9日のJ3第16節・宮崎戦は相手に先制されたものの、小林 里駆のプロ初ゴールで追いつき、1-1で引き分けた。天皇杯福岡県予選決勝・福岡大戦を含めて、ここ公式戦6試合負けなしと好調だ。
新潟の藤原 奏哉と北九州の大谷 幸輝は古巣対戦。藤原とプレーしていたのは田中 悠也、当時JFA・Jリーグ特別指定選手だった前田 紘基のみである一方、大谷とプレー経験があるのは堀米 悠斗、早川 史哉、阿部 航斗ら複数人いる。
このほか、プロとしてピッチで再会できそうな因縁もある。
新潟の長倉と北九州の井澤は、浦和ユース時代の同期。同じく長倉と長谷川 光基は順天堂大の同期で、小林は2学年下の後輩に当たる。また、北九州の平原 隆暉と井野 文太にとっては、新潟の小見 洋太、西村 遥己はそれぞれ昌平高の1学年上の先輩、同期だ。かつてのチームメートと、成長した姿でぶつかり合う楽しみもありそうだ。
より長い時間、出場機会を得る若手選手も複数いると予想されるカップ戦。一戦必勝の舞台で、勝利に導く新たなヒーローが生まれるかに注目だ。
[ 文:野本 桂子 ]

