2014年には準優勝、2018年にはベスト4、ほか二度のベスト8と、天皇杯では一定の成果を収めている山形。ただ、現在の攻撃的スタイルに舵を切ってからは1、2戦目での敗退が続いている。目標は大きく、タイトル獲得。すでにルヴァンカップは敗退しているため、J1昇格を目指すリーグ戦同様にこの天皇杯を重要な大会と位置づけている。
リーグ戦では3年連続でプレーオフに進出し、今季もJ1昇格を目標にしている中でJ3降格圏と勝点1差の15位に低迷している。現在はリーグ戦3連敗中。鹿児島戦に勝利して3回戦にコマを進めるのはもちろん、その余勢を駆ってリーグ次節、仙台との“みちのくダービー”の勝利につなげたいもくろみもある。
今季はシーズン途中に[3-3-4]の攻撃的なシステムに変更したが、以降1勝2分4敗と思うような成果が表れていない。試合間隔が空いた期間で、現在課題としている、より前から奪う守備の練度を高めてきた。その成果を示し、本来持つ攻撃的なポテンシャルを発揮してゴールにつなげたい。
鹿児島県代表として本戦出場の権利を得た鹿児島は、1回戦でJ2今治と対戦。終盤に挙げたンドカ チャールスと河村 慶人のゴールで2-0と勝利し、“アップセット”で初戦を突破している。2回戦でも勝利して3回戦進出となればクラブとしては初。1つのブレイクスルーとなる。
今季の明治安田J3ではここまで15試合を戦って、7勝5分3敗の勝点26で5位。総得点28はリーグトップとなっている。直近の第15節では、岐阜に3-2と逆転勝利。35分に先制を許す厳しい展開となったが、前半終了間際に山口 卓己のゴールで追いつくと、再びリードされて迎えた後半の終盤にンドカ チャールスと河村 慶人がゴールを挙げて逆転に成功した。第13節・福島戦では後半だけで5得点を挙げて勝利しており、ひとたび着火すれば膨大なエネルギーを発する。中3日での連戦、九州から東北への移動というハンデをはねのけ、鹿児島らしいプレーを発揮できるか。
今季から鹿児島の指揮を執る相馬 直樹監督は、2013年に山形のヘッドコーチを担当。また、小林 亮ヘッドコーチは現役時代、山形でのプレー経験がある。選手に視点を移すと、藤嶋 栄介と相馬 丞が山形を古巣とする。昨季まで山形に所属していた藤嶋 栄介は前述のルヴァンカップでは直近のリーグ戦から中2日ということもあって欠場していたが、今回の出場はあるか。一方、山形から期限付き移籍中の相馬 丞は、契約の関係上出場不可となる。山形に目線を移すと、U-18から鹿児島育ちの野嶽 寛也、昨季期限付きで鹿児島に所属した田中 渉、弓谷 蓮コーチが古巣戦。ルヴァンカップで実現した兄・海夏(山形)、弟・虹樹(鹿児島)による吉尾兄弟対決が再び実現するかなど、見どころの多い一戦となる。
[ 文:佐藤 円 ]
