昨季5年ぶりにJ2を戦った鹿児島だったが、5年前と同じく1年でのJ3降格の屈辱を味わった。今季はJ2復帰、J3優勝を目指すのは当然のこととしつつ、J2に上がっても壁にはね返されない力をつけるために相馬 直樹氏をGM兼監督としてチームに招き、5年先、10年先を見据えたチーム作りに取り組んでいる。
ここまでのリーグ戦6試合は3勝2分1敗で、勝点11で3位と上位につけている。総得点12はリーグ最多。「プレシーズンで苦しんだが、しっかり点が取りやすい状況は作れている」と相馬 直樹監督は分析する。2トップはアンジェロッティとンドカ チャールスが組み、アンジェロッティは4得点、ンドカ チャールスは2得点といずれも結果を残している。
ハードワークして前線からプレスを掛けてボールを奪い、常に相手陣に押し込んで主導権を握るサッカーを志向する。今季は20代前半の若い選手をはじめ、走れる選手を中心に補強を行い、最後まで運動量が落ちないのが強みだ。
一方で失点は『7』と、1試合1失点以内を目指すチームとしてはやや多く、守備は課題となっている。若いチームだけに自分たちで主導権を握れている時間帯は勢いに乗ってやれているが、そうでない時間帯をしのぎ切れずに不用意に失点を喫することがある。開幕から2試合はホーム戦でありながら想定外の風の強さに戸惑い、追い風で流れに乗れた時間帯と向かい風で耐える時間帯との落差が大きかった。また、アウェイで行われた明治安田J3第5節・高知戦では1-0とリードして折り返した後半開始早々に連続失点を喫するなど、ゲームコントロールがうまくいっていなかった。
ただ、選手たちが高い意識でまとまっているのがチームの強みであり、試合を重ねるごとに課題点は少しずつ改善されている。北九州との“九州ダービー”となった直近の第6節では、今季初めてホームでクリーンシートを達成した。CBヘナンが高知戦で負傷交代して戦列から離れたのは痛手だが、北九州戦では千布 一輝、岡崎 慎が公式戦で初めてCBのコンビを組み、無失点に貢献した。いまだリーグ戦で出番のない選手も多く、中2日で迎えるこの一戦ではどのようなメンバーでスタメンを組んでくるのか、注目したい。
対する山形としては、白波スタジアムで行われた昨季のJ2第20節で鹿児島に完敗を喫しており、その雪辱に挑む。今季のリーグ戦では開幕3連敗を喫したが、その後2連勝。直近のJ2第6節はホームで徳島と対戦して、スコアレスドロー。3連勝は逃したが、今季初めてクリーンシートを達成した。
「結果には1ミリも満足していない」と渡邉 晋監督は話したが、「タフに、忠実に、しっかりとタイトな守備、約束事を守った整備された守備は90分を通してできた」と評価している。J3トップの得点力を誇る鹿児島の攻撃を、調子を上げてきた守備でいかに防ぐかがポイントの1つに挙げられる。山形には野嶽 寛也、田中 渉と鹿児島で活躍した選手たちがいる。野嶽 寛也は鹿児島U-18出身で長年、鹿児島でキャリアを磨いた選手。彼らの凱旋プレーが見られるかは見どころになるだろう。
[ 文:政 純一郎 ]
