天皇杯ラウンド16後に控えるJ1再開に向けて、ともに勝利ではずみをつけたい一戦だ。現在、リーグ戦で2試合連続ゴール中の菊池 流帆は「天皇杯に勝つか負けるかで(リーグ次節・)神戸戦の勢いは変わってくる」と語気を強めた。
なお、本拠地で戦える町田にとって、天皇杯ラウンド16は新たな歴史の扉を切り拓くための大きな挑戦だ。町田は2012年度と2015年度、2023年度の同大会でラウンド16(2012年度と2015年度は4回戦)まで進出したものの、いずれもそこで敗退している。クラブ史上初の天皇杯準々決勝進出へ。対戦相手となる京都でプロキャリアをスタートさせた仙頭 啓矢は「勝てばクラブの歴史を塗り替えられるチャンス」と言葉に力を込めた。
また、今季の町田はメジャータイトル獲得をシーズン目標に掲げてきた。一発勝負の天皇杯制覇まではあと4勝。先を見過ぎるのは決して得策ではないが、仙頭 啓矢は「(優勝までの)勝利の数を考えれば、タイトルの可能性はある」と強気に話している。
もっとも町田は直近の京都戦(J1第15節/1●2)で逆転負けを喫しているぶん、相手の怖さは十分に理解している。前回対戦時は後半からの途中出場で古巣と相対した仙頭 啓矢が言う。
「京都さんは守から攻に加えて、攻から守への切り替えも早くて、全員がハードワークをしながら、のびのびとプレーしている印象を持っています。そういうチームは1人が2人にも感じられるようなパワーを出してくると思うので、自分たちもしっかりと対抗できる強度を発揮したいです」 後半アディショナルタイムでの劇的な決勝点奪取で町田を下した前回対戦での成功体験を有する京都は、そのときと同じく再び町田の本拠地に乗り込む。タイトル獲得への意志が強いのは京都も同じ。昨年度の大会では最終的に優勝した神戸に敗れて準決勝で敗退し、クラブにとって二度目となる天皇杯制覇のチャンスを逃しているため、今年度の天皇杯獲得に対するモチベーションは余計に高いはずだ。また、京都はリーグ戦でも首位に肉薄している。今後、さらなる上位進出を目指す意味でも、町田戦における公式戦2連勝という結果はノドから手が出るほど欲しいに違いない。
勝負のポイントは、真夏の暑さを吹き飛ばすような強度のぶつかり合いを制すること。強度勝負で後手に回ったほうが、苦戦はまぬがれない。準々決勝進出を懸けた舞台で古巣と対戦できることに感謝しながら、京都撃破を誓う仙頭 啓矢は言った。
「天皇杯はトーナメントなので、白黒がハッキリつく大会。(120分トータルでの)ゲームマネジメントが大事になってくると思います」 ベスト8進出を果たすのは町田か京都か。強度を売りとするチーム同士の顔合わせは、熱戦必至だ。
[ 文:郡司 聡 ]
