首位撃破に挑んだ前節の町田は、前半終盤に喫した失点を挽回できず。0-1で接戦を落とし、首位との勝点差を縮めることはできなかった。「首位を食わなければ上位には行けない」と黒田 剛監督から発破をかけられた選手たちは首位相手の敗戦に悔しさを募らせた。特にJ1初先発のチャンスをつかみ取った桑山 侃士は「大きな舞台での経験を積むために試合に出ているわけではない。自分が出ている限りは結果を残さなければ意味がないぐらいに思っている」と語気を強めた。大卒ルーキーがそう話したように、目の前の結果を希求しているのは、町田の選手たちの共通した思いだ。
鹿島戦の敗戦によって、町田は6勝2分6敗と勝利数と敗戦数が並んだ。仮に今節で敗れた場合は、第3節終了時点で1勝2敗と負け越して以来となる黒星先行の状況に追い込まれるため、ホーム・京都戦での勝利によって連敗を回避することが望ましい。
クラブとしての京都との通算戦績は、J2時代を含めると5勝3分8敗と分が悪い。ただし、黒田 剛監督体制では2戦2勝である上に1点も奪われていない。むしろ“黒田ゼルビア”にとっての京都は、ある種の“お得意さま”だ。実はプレシーズンのキャンプでも両チームは練習試合で対戦しており、お互いに今季のチームの肌感覚は体験済み。京都がプロキャリアのスタートである仙頭 啓矢は、今季の相手の傾向についてこう語る。
「強度に優れた京都のチームスタイルが洗練されてきた印象を受けています。また強力な外国籍選手がチームに組み込まれていることで勝っていますし、本当に強いチームだなと思います」 消化試合数が『15』と1試合多い中で4位につける京都をこのタイミングで撃破しておくことは、今後の上位進出の足がかりとなるに違いない。直近2試合は“後半勝負”のゲームプランを描いてきた町田のコーチングスタッフは、どんな手段を携えて今節のホームゲームに臨むのだろうか、注目だ。
一方、前節・C大阪戦を2-0からの逆転負けで落とした京都は、精神的ダメージを引きずらずに町田戦へ臨むことが重要なポイントの1つ。また、原 大智や奥川 雅也らアタッカー陣が好調をキープしている上に、ラファエル エリアスはC大阪戦で10分のプレータイムにとどまったため、得点源のエースがフレッシュなコンディションで臨めることはポジティブな材料かもしれない。
アウェイの京都としては、“強度勝負”の土俵で町田よりも優位に立ち、作ったチャンスを確実に仕留めることが肝要だ。昨季のJ1第37節、町田GIONスタジアムでの町田戦後、古巣のサポーターからの声援に感極まって涙を見せた平戸 太貴は、計約5年半在籍したクラブを相手に手痛い一発を浴びせられるか。昨季の町田戦2試合で沈黙しているプレーメーカーの逆襲にも注目して損はない。
[ 文:郡司 聡 ]
