湘南は3連敗中。その3試合とも無得点で敗れており、最下位から抜け出せずにいる。ただ、鹿島、川崎Fと対戦したここ2試合は上位相手に好内容を演じており、十分な手ごたえを得ることができた。球際のバトルで引けをとらず、積極的なプレッシングを貫くと、ボールを奪ったところから速攻で決定機を演出。ゴール前での粘り強さも含め、攻守にアグレッシブさが戻ってきた印象だ。
もちろん、わずかなスキを突かれ、勝点を獲得することができない試合が続いたことは無視できない。思えば、FC東京との前回対戦(第12節/0●3)でもその“小さな差”が勝敗を分けた。前半から互角にゲームを進めた中で、前半終盤にCKから先制点を献上。その後FWに訪れた決定機を相手GKのビッグセーブで防がれると、後半も終盤の時間帯で追加点を奪われた。浮嶋 敏監督は試合後、「ふがいなさを感じる」と課題のセットプレーからの失点を嘆いたが、要所で相手に屈し、0-3というスコアを招いたことを考えれば、同じ轍を踏むわけにはいかない。
一方、FC東京としても優勝への望みをつなぐ上で、この最下位との一戦は勝点3がマスト。週に2試合という過酷なスケジュールが続くが、勝利をつかんで新たな月のスタートを切りたい。浦和と対戦した直近の第29節では、“鬼門”の埼玉スタジアム2002で実に17年ぶりの白星を飾り、第19節・鳥栖戦の敗戦を払しょくした。今季いまだ連敗がないという事実は、チームとしての底力を物語っている。
その中で、この試合では両指揮官のメンバー選考にも注目が集まる。湘南は日程面の優位があるとはいえ、現在多くの負傷者を抱えている。特に最終ラインは人員不足が顕著で、前節・川崎F戦では本職とはいえない選手たちが3バックを務めた。試合後、浮嶋監督は「よく戦ってくれた」とスクランブル起用に応えた彼らを称えたが、今節も同様の人選を継続するのか。一方、中盤や前線のプレーヤーは続々と回復してきており、前節復帰した鈴木 冬一や中川 寛斗、タリクといった面々の起用法も含めて、どのような決断を下すか注目したい。
FC東京の長谷川 健太監督にとっても、今節のメンバー選考は1つ、重要な決断となるだろう。鳥栖戦ではその前のC大阪戦から先発6人を入れ替え、バングーナガンデ 佳史扶や内田 宅哉、品田 愛斗といった若手を多く起用して臨んだが、良いところなく敗れてしまった。敗戦の責任が彼らにあるわけではないが、「今日は完敗です。ほかに言うことはないです」と長谷川監督が振り返った先週末の試合を経て、この試合は間違いなくチームとしての総力が問われる。3日後にはJリーグYBCルヴァンカップ準決勝・川崎F戦を控えているが、どんなメンバー構成であろうと、しっかりとしたメンタリティーを持ってアウェイ戦に臨みたいところだ。
最下位脱出を狙う湘南か、首位の背中を追うFC東京か。勝利で10月のスタートを切るのは果たして。
[ 文:林口 翼 ]
