ホーム3連戦の2試合目となる鳥栖は、7日に行われた明治安田J1第10節でG大阪と対戦。序盤からボールを保持し、長短を織り交ぜたパスや素早いトランジションを生かした高い位置でのボール奪取で数多くのチャンスを作り出した。しかし試合を通じて、ゴールの枠に飛ばす精度に欠け、チャンスの数を得点に結びつけることができず。終了間際にレンゾ ロペスが挙げた1得点に終わり、逆に守備では決して崩されたわけではないが、相手の決定力の高さに屈する形で2失点。チームは2連敗となってしまった。
一方の浦和は前節、ホームで名古屋と対戦。ボールを保持しながら名古屋の守備の前にチャンスをなかなか作り出すことができず。後半に入ると守備陣形が整っている状態だったが、クロスから金崎 夢生に得点を許してしまう。反撃に出る浦和だったがある程度の位置までは運べるものの、守備に集中する名古屋の前に決定機を作り出すことができない。結局、名古屋に逃げ切りを許し3連敗。ホームでは4連敗という厳しい状況に陥っている。
両者の前回対戦は約1カ月前。第15節に埼玉スタジアム2002で行われており、その際は2-2の引き分けに終わっている。鳥栖が二度先行するも浦和が追いつくというシーソーゲームだった。
今回は駅スタに舞台を移しての一戦となるが、浦和にとっては決して印象の良いスタジアムとは言えないだろう。J1における駅スタでの対戦は鳥栖から見て、4勝3分1敗と浦和にとってはかなり分が悪いスタジアムとなっている。ただ、中2日での連戦となる鳥栖に対して、浦和は1週間の準備期間を経てこの一戦に臨む。戦術的な修正やコンディション面など浦和にとっては有利と言える点が多いだけに、そのアドバンテージをしっかりと生かしたいところだ。
鳥栖はいま、理想と現実の狭間で難しいチームバランスを強いられている。“戦術の肝”と金 明輝監督が語るCBにケガ人が相次ぐ中、掲げる攻撃的なスタイルの維持のために本職ではない選手をコンバートし、起用している。後方からのポゼッションというスタイルを維持する反面、守備の強度の低下から簡単な失点も目立つようになっている。理想を追いかける中で、現状の課題とどう折り合いをつけるのか。指揮官の選手起用にも注目したい。
両者のスタイルを考えれば、鳥栖がボールを握り、浦和がカウンターを狙う展開になる可能性が高い。しかし、今季の浦和は決して主導権を握ったとはいえない内容でも勝ち切った試合が多いだけに、ボールを握られてもそれがストレスになることはないだろう。どちらもチャンスを作ることはできるはずだ。その中で決定力をどちらが発揮できるかが勝敗を分けるポイントになるだろう。
互いに勝利への希求心は強い。その気持ちの強さをプレーで示し、苦境を切り拓くのは鳥栖か。それとも、浦和か。
[ 文:杉山 文宣 ]
