槙野 智章も翌日の会見で「結果はついてこなかったかもしれないが、内容を踏まえて、自分たちがやろうとしていることとしては今季のベストゲームだったんじゃないかと考えている」と手ごたえを口にした。前々節・鳥栖戦後に行われたという選手間ミーティングの効果もあってか、柏戦の内容は客観的に見てもこれまでと比べて大きく前進した感があった。
今季序盤の浦和はしぶとく勝点を積み重ねながらも、内容的には苦戦を強いられていた。いつしか勝点獲得のペースも落ち、順位も緩やかに下降していく。シーズン折り返し前後では好内容を見せながらも勝ちをもぎ取れず、無得点の試合も続いた。チャンスは作れるが決定機の数が積み重ねられない、好シーンはあっても結果につながらない、良い試合ができてもそれが続かない。どうにも息苦しいサッカーをしているように見えた。良いプレー、良いシーンがつぎはぎのように散在している印象だったが、柏戦ではようやく、点が線につながったかもしれない。
これまでは一つひとつでつながらなかった狙い。例えば後方からのボール運び、中央でポイントを作ってからのワイドの展開などがスムーズにつながり、厚みとバリエーションのある攻撃が展開されていた。
もちろん、負傷などでメンバーを欠いていた柏の守備に問題があった影響も大きかったが、好感触をつかんだことは事実。この流れを手放さないよう、連戦でメンバーが替わっても持続できるようさらなる積み上げを続けていきたい。
一方、埼玉スタジアム2002に乗り込む仙台はいまだ苦しい戦いが続いている。最後に勝利したのは8月8日の明治安田J1第9節。12戦未勝利となっており、前節・横浜FC戦も引き分けで勝点1は得たものの、相手にボールを握られ守勢の時間を多く過ごすゲーム展開となった。
データ的にも、埼玉スタジアム2002では未勝利。なかなか明るい材料がないが、複数失点が続いていた中で1失点、0失点とここ2試合で失点を抑えられているのは光明か。前節終了後、平岡 康裕は「ここ数試合、しっかりラインの押し上げなどをディフェンスラインも含めてチーム全体で確認しながらやっている中で、ラインの上げ下げや、横のスライドというところはある程度できたと思う」と話したが、手ごたえを得つつある守備から、良い攻撃につなげたい。
記録としては、前節のゴールでJ1通算152得点とした興梠 慎三に注目か。尊敬するマルキーニョスの通算得点に並び、次の得点ではついに超えることとなる。“仙台キラー”として相性も良いだけに今節での記録達成に期待がかかる。逆に仙台としては、13試合ぶりの勝利のためにも是が非でも興梠を抑えたいところだ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
