仙台戦で特にポジティブだったのは、得点のバリエーションが豊富だったことと、それ以上に無失点で終えられたことだろう。1点目は敵陣で橋岡 大樹がボールを失いながら、武藤 雄樹が制限をかけたところで橋岡がボールを奪い返し、そこからわずか10秒間の速攻。2点目はエヴェルトンのボールキープから相手ゴール前でFKを獲得し、これをマルティノスが直接叩き込んだ。
3点目はPKだったが、相手横パスをカットした汰木 康也からのパスに興梠 慎三が鋭く反応しPKを獲得。これも速い攻撃だった。圧巻だったのは最後の6点目。西川 周作のゴールキックから始まり、仙台のプレッシャーをかわしながら前進。一度もボールに触れさせることなくゴールを陥れた。最後のクロスはややマイナス方向にズレたが、レオナルドがスペシャルなトラップでボールを自分の前に置いてからのシュート。トラップからシュートまでが完璧に計算されたような美しいムーブだった。
守備でも「全員で守備ができたことが良かった。しっかり前線からの守備があった」(エヴェルトン)と、集中力高くシャットアウト。もがき苦しんだ時期を経て、ここ3戦は2勝1分と負けなし。内容は目に見えて上向いてきただけに、ここで上位を食ってAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内入りに望みをつなぎたい。
対するアウェイのC大阪だが、2位につけているものの、最近はやや勢いを失っているようにも見えた。リーグ再開以降、7月を3勝2分1敗、8月は4勝1分1敗と安定した成績を残してきたが、9月は後半から2連敗、10月も2連敗スタートとここにきて黒星が増えてきている。
第20節ではなんとか食らいつこうと追いすがっていた首位・川崎Fとの直接対決に敗れ、逆転優勝は限りなく厳しい状況に追い込まれた。そのダメージもあってか続く第21節・名古屋戦にもアディショナルタイム弾に沈み敗戦。精神的ショックは見た目よりも大きかったかもしれない。
ただそこは上位チーム、第22節・湘南戦は苦しみながらもセットプレーでしぶとく勝ち切り、前節・横浜FM戦では前年王者の分厚い攻撃をはね返し続けて4-1の大勝。主要メンバーの固定による勤続疲労や松田 陸の負傷離脱などダメージはあるが、前節で加入後初得点を挙げた豊川 雄太や左右両サイドをこなせる片山 瑛一など、序盤戦は先発メンバーに入れていなかった戦力の台頭もある。
気がつけば3位以下との差が詰まってきたC大阪としても、なんとかACL圏内へたどり着きたい浦和としても負けられないこの試合。優勝争いの火はほぼ鎮火してしまったリーグ戦だが、まだまだ熱い戦いが期待できそうだ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
