アウェイチームのFC東京は、ここまで31試合を消化。15勝5分11敗の勝点50で4位につける。リーグ戦での成績を上げることももちろんだが、これから待ち受けるACLの大舞台や、来年1月4日に開催が決定したJリーグYBCルヴァンカップ決勝戦に向けてはずみをつけたいところだ。
FC東京は、今季で3季目を迎えた長谷川 健太監督の下で磨いてきた、堅固な守備から速攻に素早く移る組織力が武器。渡辺 剛らの強靱な守備から、ディエゴ オリヴェイラら強力FW陣を中心とした攻撃への円滑な切り替えに注目するだけでも、面白いチームだ。シーズン途中にボランチの橋本 拳人やSBの室屋 成が海外移籍で抜けたが、中盤のボール奪取役である安部 柊斗、SBで力強い守備を見せる中村 帆高や攻撃に勢いを加える中村 拓海といった選手たちが台頭しているように、さまざまな選手が育っている。
15日にFC東京は第27節で名古屋と対戦し、0-1で敗戦。それから中2日でこの仙台戦を迎えるため、コンディションを考えれば先発メンバーを大きく替える可能性がある。その場合でも名古屋戦でベンチスタートだった快足FW永井 謙佑ら、能力の高い選手たちが見せ場を作るだろう。
ホームチームの仙台は、ここまで27試合を消化。3勝8分16敗の勝点17にとどまり、最下位に沈んでいる。今季から木山 隆之監督の下で攻守ともにアグレッシブなスタイルを構築しようとしてきたが、負傷者が続出したこともあって厳しい試合が続いている。
リーグ戦17試合連続で未勝利というトンネルの中にあったが、14日の第27節・G大阪戦でその流れを止めた。この試合では選手それぞれの役割が整理され、遅攻でも速攻でも連係が円滑になった。その中で、長沢 駿がハットトリックと大活躍。アシストした選手たちも持ち味を発揮した。イサック クエンカはケガによる長期離脱から復帰後最高のパフォーマンスを見せ、巧みにキープ。浜崎 拓磨はセットプレーでの高精度なキックや、高い位置での守備で貢献。佐々木 匠は相手スペースに入り込み、危険なラストパスやシュートを放った。さらに、アンカーの位置でパスの中継点としても守備のフィルターとしても活躍した椎橋 慧也、相手のシュートやパスをブロックした平岡 康裕といった選手たちの復調も見逃せない。
仙台も中3日という短いスパンで次のFC東京戦を迎える。また、G大阪戦でJ1初ゴールを決めた柳 貴博がFC東京から期限付き移籍しているため、契約上出場できない。さらにケガ人も多いこともあって、メンバーのやり繰りは難しいところもあるが、ピッチに立った選手たちがG大阪戦の内容と結果を継続できるかどうかが見どころだ。何より、仙台はここまでホームで勝利がないことが、現在の不振につながっている。この試合で勝利を得ることには、大きな意味を持つ。「毎試合応援してくださるサポーターの皆さんに毎回悲しい思いをさせて帰らせてしまっているので、次は勝ってみんなで喜び合えるようにしたい」と長沢は言葉に力を込める。今度こそ悲願のホーム初勝利をつかもうと、力を尽くす。
短い準備期間でも、それぞれ磨いてきたスタイルを披露できるか。結果も内容も問われる一戦だ。
[ 文:板垣 晴朗 ]


