そこで何に取り組み、何を残すかが重要だが、さしあたって今節に示すべきことは、どのような状況であれクラブが、チームが、選手が戦う姿を見せることと、勝利を手繰り寄せる、それを成そうとする姿勢を見せ続けることだろう。あと2試合しかないホーム開催である。
鹿島戦では「局面のバトルで残念なところが多かった」(大槻 毅監督)、「鹿島の選手に全部上回られたなという印象」(山中 亮輔)と、良いところなく完敗。大槻監督が今季喫したほかの大敗試合との共通点を問われて「これまでのゲームと今日のゲームはまた少し中身が違う」と答えたように、今季のサッカーの根幹が揺らぐような内容だった。
「球際、切り替え、セカンドボールがいまの時代おろそかになってしまうと、どんなチームでも良い結果は得られない。そこはずっと(大槻監督に)言われ続けていた」(西川 周作)。それができている試合は勝ちにつながっていたと西川が鹿島戦前に語っていたように、個々の局面の意識は再徹底する必要がある。
契約満了につき今季限りで大槻監督が退任することがすでに発表され、マルティノス、エヴェルトンの契約満了も決定。去就の定まっていない選手もいるだろう。今週、先週の公開練習はオフ明けということもあったが、どうにもテンションが低く感じられた。シーズンの目標も失われ難しい状況ではあるが、スタジアムに、画面越しに応援してくれるサポーターが1人でもいる以上は戦わなければならない。再建計画や次につながる何かを残すこと以上に、埼玉スタジアム2002で”今”を戦う姿勢を見せてほしい。
対するアウェイの湘南。数字上の状況は浦和よりも良くないが、シーズンを通しての流れでは良いサイクルに転じていると言えるかもしれない。今季は出だしからつまずいて低空飛行を続け、直近も4試合勝ちなしの状況。しかし10月後半からは6戦負けなし(4勝2分)の時期もあり、また連敗も回避するなど少しずつ結果が出始めている。
今季はJ2降格がない中で、厳しい戦いをこなしながら若手を積極起用。石原 広教、舘 幸希、田中 聡、畑 大雅らが一定の出場機会を得られたことは、来季4チーム降格という厳しいレギュレーションに向けての財産になるはずだ。
浦和は得点数がチームトップのレオナルド、湘南は出場時間チーム2位の金子 大毅とそれぞれ主力を出場停止で欠く。浦和はここ2試合スタメンを外れていた武藤 雄樹が練習で絶好調ぶりを披露しており、第15節以来約3カ月ぶりのゴールに期待がかかる。湘南は金子に代わって中盤の底を誰が務めるか。直近で代役を務めた柴田 壮介なら遜色ないプレーを見せてくれるだろう。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
