C大阪は、昨季まで2年間チームを率いていたロティーナ監督が契約満了で退任。就任初年度は5位、昨季は4位と安定した成績を残していたが、クラブは攻撃力の向上と得点数のアップを目指し、かつてC大阪で一時代を築いたレヴィー クルピ監督を招聘した。2019年に一度は「監督業の引退」を公表した同監督だが、「日本から、セレッソから連絡が来て監督の話を頂いたとき、心の底からエネルギーが湧いてきた。武者震いがした」とオファーを快諾。C大阪では8年ぶり四度目となる指揮でどのようなサッカーを見せるか注目だ。
宮崎キャンプでは、非公開も含めて4試合のトレーニングマッチを実施。公開された3試合を見る限り、“クルピ流”の攻撃サッカーは健在。ボールを素早く縦に運んでフィニッシュに持ち込み、両SBも積極的にクロスを上げる。チーム全体の矢印が前になっている姿が印象的だった。もっとも、単に縦に速く、というわけではない。昨季まで培った後方からのビルドアップも織り交ぜて、中盤で新加入の原川 力や藤田 直之、奥埜 博亮らがしっかりとボールを握りながらトップ下の清武 弘嗣にボールが入った瞬間、スピードアップしていく。高木 俊幸や坂元 達裕といったワイドのアタッカーもときに中へ絞り、攻撃に厚みを加えていく様子は、かつての“レヴィー・セレッソ”を彷彿とさせる。この開幕戦でも、いかにして柏の堅守を打ち破っていくか。早速、攻撃の成果が問われる。
一方、第二次ネルシーニョ政権3年目の柏はすでに戦術的な基盤はできている。J1昇格1年目の昨季も上位に食い込むなど確かな力を発揮し、JリーグYBCルヴァンカップでも準優勝に輝いた。もっとも、昨季のリーグ戦で28得点を奪い、MVP&得点王に輝いたオルンガが移籍。前線に空いた大きな穴をチーム全体でどう埋めていくかが問われる。攻撃の全権を担う背番号10・江坂 任を中心に、前線の呉屋 大翔、クリスティアーノらの一層の活躍が不可欠となる。守備では昨季、福岡でJ1昇格の原動力となり、大きな経験を積んで戻ってきた上島 拓巳に注目。元C大阪の山下 達也らと堅守を構築していきたい。
旧知の仲であるレヴィー クルピ監督とネルシーニョ監督。試合前のオンライン合同会見でも“舌戦”を展開しつつ、「(柏は)本当に手ごわい相手」(レヴィー クルピ監督)、「(レヴィー クルピ監督は)選手のクオリティー、戦術、技術を含めて3拍子そろったチームを仕上げてくる」(ネルシーニョ監督)と互いに称え合った。経験豊富なブラジル国籍指揮官同士による一戦、軍配は果たしてどちらに上がるか。
[ 文:小田 尚史 ]