横浜FCの低調の原因はハッキリしていて、3戦とも前半のうちに、しかも立て続けに2失点してしまっていることだ。「良くない。事故的な1失点はまだ取り返せる余地があるが、2失点となるとだいぶのしかかってくる」と下平 隆宏監督も顔をしかめる。気がかりは1失点目と2失点目の間隔が非常に短いことで、開幕の札幌戦は2分と4分。前々節の大分戦は9分と11分。浦和戦では37分と45分ではあるが、その間にゴールネットを揺らされるもVAR判定の末にオフサイドに救われ、危険なファウルに対する抗議などもあり、実際のプレー時間は数分あるかないかといったところ。先制点を奪われると浮き足立ち、前へ急ぐ選手と慎重になる選手で意思統一がとれなくなり、あっという間に致命的な2失点目を喫してしまう。まずは先に失点しないことが一番だが、それで硬くなり過ぎてしまってもよろしくない。未勝利のプレッシャーもあり、難しいところだ。
一方のC大阪は4試合を消化して2勝2敗。守備のハードワークを植えつけた尹 晶煥監督体制、続いて攻守の規律を重んじたロティーナ監督体制から一転、エキサイティングな攻撃サッカーでクラブの象徴的な時代を築いたレヴィー クルピ監督を再び招聘し、ここまでいかにも往年のセレッソらしい試合を展開している。とにかくスコアが動く。開幕戦こそ柏が退場者を出したこともあり無失点で勝利したが、前倒しで行われた明治安田J1第11節と第2節はともに2-3で敗れ、前節・清水戦は昨季までの指揮官であるロティーナ監督を迎えて乱戦に持ち込み、2-1で勝利した。攻撃で調子に乗ると手がつけられないが、失点も多い。優勝争いに絡んでいくには守備の安定が不可欠だが、それではC大阪の魅力は半減する。ここまで3試合で9失点の横浜FCを相手に、一発や二発の被弾は覚悟で大量得点勝利を狙ってくるだろう。
今季はFWに大型補強を敢行した横浜FCだが、3試合で2得点の現状では打ち合いを挑むのは分が悪い。やはりまずは失点しないことだが、引いて受け身になってしまえばC大阪を勢いづかせるだけだ。下平監督体制で2年間積み上げてきた、全員でボールを保持する時間を増やすことで相手の攻撃機会を減らすというベースに立ち返ることが、トンネルを抜け出すためのカギになるだろう。
[ 文:芥川 和久 ]
