明治安田J1第3節・横浜FC戦で今季初勝利を挙げた浦和だが、前々節・横浜FM戦は0-3の大敗。横浜FMのハイプレスをまともに受けて、自陣でのボールロストを繰り返した。
そして迎えた前節・札幌戦。沖縄キャンプではマンツーマン気味のハイプレスに煮え湯を飲まされた相手であり、当時からどれだけ浦和が成長しているかの目安になる対戦かと思われた。しかし、フタを開けてみると浦和の戦い方は「割り切った」ものだった。
「どちらかというと、キャンプでやってきたことをやらずに戦った90分だった」(西川 周作) 「中盤で簡単にロストしないようにするということがあったので、ダイレクトなプレーを選択することが多くなった」(リカルド ロドリゲス監督) これらのコメントのとおり、後方から丹念にビルドアップをするのではなく、早めに長いボールを蹴る選択が極端に多くなった試合だった。
結果として、自陣でボールを奪われてピンチに陥るシーンはわずかとなり、無失点で終えた。ただ逆に、ボールを握り、試合の主導権を握るというコンセプトは遂行できずに、大半の時間帯で札幌にボールを握られ、攻撃回数は限定された。
ケガ人が多くメンバーも固定気味で「われわれは中2日で消耗している状態で、あれだけの強度のあるチーム(札幌)が1試合飛ばしての試合だった」(リカルド ロドリゲス監督)状況の中、苦肉の策の側面もあったが勝点1という結果は得た。
では今節はどうするか。川崎Fも同じ中3日で、今節のあとは代表ウィークも挟まる。JリーグYBCルヴァンカップまでは1週間、リーグ再開までは2週間の猶予がある。たとえ砕け散っても3連敗にはならない。真っ向勝負の可能性も十分にあるだろう。
特に川崎Fに対しては、“耐える展開”を選択すると無限に攻撃を受け続け、ジリ貧となるパターンが多い。昨季までの傾向を考えれば、もっとも分が良いのは、実は攻めることだ。目指すスタイルに挑み、できるだけ敵陣でサッカーをすることにトライすることで勝率を高めていきたい。
一方、前年王者・川崎Fは健在も健在。守田 英正ら主力の移籍もあったが、新加入のジョアン シミッチらが十分過ぎるほどに穴を埋めている。豊富な選手層と5人の交代枠をフル活用した高水準のターンオーバーで疲労度も分散できている。前節は終了間際に追いつかれ、2試合続けて複数得点を挙げられていないが、いまだ今季無敗。懸念材料とまでは言えないだろう。
浦和は昨季も節目のタイミングで川崎F戦を迎え、改革の成果を試そうとするも打ち砕かれていた。改革2年目の今季は進歩した姿を見せたいところだ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
