今季も鳥栖はコレクティブでソリッドな戦いを披露しており、4勝2分1敗で現在4位につける。特筆すべきは失点数で、2位の名古屋と並んで1失点と、リーグトップタイの少なさだ。それも、ただの堅守速攻ではなく、後方からもしっかりとビルドアップでき、コンパクトに前線からも守備ができる。選手の特長を生かした戦いにも定評があり、リーグ内でも注目のチームとなっている。39歳でリーグ最年少の金 明輝監督率いるチームが、盤石の王者に対してどんな戦いを見せるのか。
鳥栖は前節、C大阪と戦い、0-1で今季初黒星。JリーグYBCルヴァンカップで札幌に1-5と敗れたのに続き、公式戦2連敗を喫してしまった。それで揺らぐチームではなさそうだが、1つの心配は出場停止の選手がいること。これまで全試合に出場してきたファン ソッコが2回の警告を受け、C大阪戦で退場処分を受けた。ファン ソッコの代わりは、明治安田J1第5節・柏戦で先発して完封勝利に貢献した田代 雅也か。札幌戦で感じた悔しさを払しょくする戦いを見せられるか、魂を込めた守備が魅力のCBにも期待がかかる。
一方の川崎Fは、日本代表活動に臨んでいた5選手(脇坂 泰斗、山根 視来、田中 碧、三笘 薫、旗手 怜央)の充実ぶりがうかがえる。彼らを見て、ほかの選手も刺激になっている様子で、レギュラー選手に加えて遠野 大弥もパワフルなプレーを見せている。前節・大分戦では相手の良さを凌駕して2-0と勝ち切り、三笘が圧巻のパフォーマンスで2ゴールをマークしている。
「相手の狙いがある中でもアグレッシブに点を取りにいってくれたこと、最後まで失点ゼロに抑えてくれたところは非常に評価できる」と鬼木監督。「面白いサッカーは構えているだけではダメ」という指揮官の言葉を体現するように、ゴールへ向かっていく姿勢は継続しており、猛烈な激しさがある。大分戦で負傷から復帰した登里 享平がフル出場を果たしたように、ポジティブな要素はいくらでも見つけられる。状態は、変わらずいい。
注目選手は田中だ。U-24日本代表で突出したプレーを披露していた22歳は、クラブでもそのパフォーマンスを持続できるか。大分戦では途中出場から、試合の流れを読みながら抑え気味だったように見受けられた。運動量や前へ出ていく力、ダイレクトで急所を突く縦パスなど、相手を圧倒していくプレーを見せつけたいところ。
川崎Fはホーム連戦となる。入場者数も緩和され、大分戦ではスタジアム全体の拍手で後押しを受け、雰囲気は「最高」(登里)だった。青黒の後押しを受けて、昨季は上回れなかった鳥栖を退け、連勝を続けたい。
[ 文:田中 直希 ]


