前節、川崎Fとのアウェイ戦に臨んだ鳥栖はマンツーマンで守備を展開し、立ち上がりからJ1王者に真っ向勝負を挑んだ。前半をスコアレスで折り返し、互角の内容を演じていたが、57分に田代 雅也が決定的な得点機会阻止により一発退場。数的不利になった65分に失点してしまう。10人になっても果敢に前に出た鳥栖だったが王者の壁は分厚く、得点を奪うことができず。今季初の連敗となり、3試合連続無得点という結果に終わった。
鳥栖としては2試合連続で退場者を出しているだけに、守備での冷静な対応が求められる。アグレッシブなスタイルだけにカウンターを受ける機会も多いが、勢い任せになってしまわないように気をつけたい。
一方の横浜FCは前節、ホームで広島と対戦。その前の柏戦で引き分け、今季初の勝点を獲得した直後のホーム戦で初勝利につなげたかったが、広島の素早い切り替えの前に自陣でのミスが頻発。前半だけで3失点を喫すると挽回する力は残されておらず、零封負けを喫した。
開幕から8試合で1分7敗という成績を受けて、クラブは監督交代を決断。8日に下平 隆宏監督の解任を発表し、横浜FCユースの監督でクラブOBでもある早川 知伸新監督の就任を発表した。就任から2日という短い準備期間にはなるが、鳥栖戦が新体制での初陣となる。
鳥栖が警戒したいのは、横浜FCの選手たちの奮起だろう。鳥栖も2018年、2019年とシーズン途中での監督交代を経験しているが、その際には成功を収めている。二度とも現在も指揮を執る金 明輝監督がバトンを受け取る形だったが、2018年はシーズンの残り5試合で就任。直後から2連勝し、5試合を3勝2分の無敗で乗り切り、見事に残留へと導いた。翌年は監督就任後3連勝(代行だった明治安田J1第10節・大分戦は敗戦)を記録している。鳥栖としては最下位だからと甘く見るわけにはいかない。
そして、鳥栖に関わる人たちにとっては見たくないであろう名前も紹介しなければならない。この選手が鳥栖に乗り込んでくる際は毎回のように紹介させてもらっているが、それが渡邉 千真だ。対鳥栖は16試合で13得点。G大阪に所属していた昨季も駅スタでは2得点を奪い、J1通算100得点を達成するなど鳥栖戦においては無類の決定力を誇る鳥栖キラーが横浜FCにはいる。昨季の対戦時も試合前に家族に「2点取る」と宣言した上で記録を達成しており、鳥栖戦というだけで本人はイメージ良く試合に入れるようだ。鳥栖としてはこのベテランFWの活躍をこれ以上許すわけにはいかない。しっかりと抑えたいところだ。
開幕から6試合負けなしの好スタートを切った鳥栖だが、ここ2試合は連敗となっているだけに3試合ぶりのホームで歯止めをかけたい。一方の横浜FCは監督交代を契機に浮上を図りたい。勝つことでその目的を達成できるのはどちらになるだろうか。
[ 文:杉山 文宣 ]
