開幕から負けなしで2位につける名古屋は、直近の第9節で大分を3-0で下し、ここまで7勝2分。しかも、J1新記録となる8試合連続無失点と、変わらぬ守備の堅さで確実に勝点を積み重ねている。
「記録は8試合ですが、9試合と言ってもいいくらいです。開幕戦で吉田(豊)は(オウンゴールを)決めたくて決めたわけではありません。私の感覚としては9試合守り切っているという感覚。これをずっと続けられるように、選手も強いこだわりを持っているので、そういう試合をさせてあげられるようにやっていきたいと思います」とマッシモ フィッカデンティ監督は言う。類例を見ない盤石さを誇る名古屋に、一撃を加えられるチームはいつ現れるのだろうか。
その一番手として名乗りを上げたいのが広島。直近の第9節こそ湘南に敗れたが、それまでは4勝4分で負けなしと、手堅いゲーム運びで悪くないスタートを切った。攻撃陣にもフィジカルの強いドウグラス ヴィエイラや、スピードのある浅野 雄也など多彩な攻撃を仕掛けられるタレントがそろい、柏 好文の正確なクロスも脅威となる。連戦の疲れを考慮し、選手の入れ替えを多く行うチームだが、堅守の名古屋を相手にどんな戦い方で挑んでくるか注目したい。
ホームの名古屋は今節、広島より1日少ない中2日でのゲームとなる。「特に中2日は選手の疲労が一気にたまる」とマッシモ フィッカデンティ監督は警戒するが、今季は大型補強で連戦にも耐えられるチーム作りが進み、これまで選手を入れ替えても堅守をベースとしたハイクオリティーの試合ができている。直近のアウェイ2連戦でたまった疲労を考慮し、選手のコンディションを見極めて、ベストの11人をピッチに送り込みたい。
名古屋の注目は、2・3月の『2021明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を獲得した稲垣 祥。大分戦は65分からの出場で疲労もやや軽減している感じはあり、古巣となる広島戦を良い状態で迎えることができる。豊富な運動量とボール奪取、さらには得意のミドルシュートにも磨きがかかり、2月と3月の6試合で3ゴールを挙げた稲垣だが、広島時代にお手本にしていたのは青山 敏弘。ピッチ内はもちろん、ピッチ外の立ち居振る舞いでも模範になるものが詰まっていたという。青山もミドルシュートが得意で、直近の試合でもゴールマウスを脅かすシュートを放っていた。「ミドルが大好物」と話す稲垣とのミドルの打ち合いも見たいところだ。
広島との豊田スタジアムでの対戦は、2015年から3勝2分と負けのない名古屋だが、いずれも接戦に持ち込まれている。今年も手堅い両チームの対戦は、1点を争う厳しいゲームになることが容易に想像できる。
果たして、名古屋はクリーンシートで無敗を守り、連勝を飾るのか。それとも広島が名古屋の牙城を突き破り、勝利を持ち去ることになるのだろうか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
