「僕らがいま良い流れではない中で、こういう強い相手にしっかりと戦って勝点3を取れれば、自信になってこれから良いシーズンになっていく」 倉田 秋が力強く話す言葉にG大阪の立ち位置は象徴されている。
前節は絶対に負けられないC大阪との“大阪ダービー”を辛うじて引き分けに持ち込み、勝点1は手にしたものの、今季手にした勝利はわずかに『1』。新型コロナウイルス感染の影響でまだ8試合しか消化していないものの、暫定で18位と苦しい戦いを強いられている。
昨季の明治安田J1で川崎Fに次ぐ2位でフィニッシュしたG大阪がいま、抱えている問題は明確だ。失点数は『5』とGK東口 順昭らを中心に安定した戦いを見せているが、“大阪ダービー”でも奪った得点はPKによるもので、今季まだ2回しかゴールネットを揺さぶれていないことが、低迷を招いている。
今季はより攻撃的なスタイルを目指すべく、新布陣の[4-3-3]を採用。シーズンの幕開けとなるFUJI XEROX SUPER CUPでは川崎F相手に敗れたものの、2-3と競り合った試合を繰り広げ、地力の一端を見せつけた。
新型コロナの感染者が出た影響で2週間の活動休止を余儀なくされ、再開後の戦いでは[4-4-2]をベースに現実的な戦いを続けてきたが、“大阪ダービー”では開幕戦以来となる[4-3-3]にチャレンジした。
現在、公式戦では川崎F相手に4連敗中のG大阪だが、宮本 恒靖監督の就任直後は2勝1分と決して相性は悪くなかった。勝利した2試合はすべて無失点で切り抜けているだけに、打ち合いではなくロースコアの展開に持ち込みたい。
C大阪戦では小野瀬 康介が負傷交代したが、新加入のウェリントン シウバは登録も完了。ウェリントン シウバのデビューの有無にも注目だ。
一方、昨季の2冠チームは今季も圧巻の力を見せ続けている。
2位・名古屋との直接対決2連戦は、4月29日の初戦を4-0、5月4日の2戦目を3-2。連勝を飾り、名古屋との勝点差は『9』に広がった。
3点を先行しながらも2失点を許した前節を振り返って、鬼木 達監督は「前回の4-0を踏まえると緩みを出すことにつながったかなと、自分に反省として持っているところはある」と自らの選手起用を自戒した。早くも独走態勢に入った感があるチャンピオンチームは、引き締め直してパナソニック スタジアム 吹田に乗り込んでくるはずだ。
FUJI XEROX SUPER CUP以来の顔合わせとなる一戦は緊急事態宣言の発令によりリモートマッチで行われるが、見どころは十分だ。
4連敗中で意地を見せたいG大阪に対して、返り討ちを狙う川崎F。「相手は現状はほぼ完成されたチームだし、Jリーグの中では1つ抜けていると思っている。でも、僕らが負けるとも思っていない」と言い切った倉田の思いを、ホームで体現したい。
苦境が続くG大阪ではあるが、勝てば一気に反転攻勢につながる大一番である。
[ 文:下薗 昌記 ]
