広島戦翌日となる13日の練習でも指揮を執り、浦和戦での立て直しに向けてファイティングポーズを取っていた宮本 恒靖監督が14日、契約解除されたのだ。事実上の解任劇について、14日にオンライン取材に応じた小野 忠史代表取締役社長は「1位を目指すということでスタートしたが、現時点、10試合で1勝止まりとなっており、なかなかチーム状況を改善することは厳しいと判断し、今回の結論に至った」とレジェンド監督の交代劇に至った胸の内を明かした。
中3日の連戦で急きょ立て直しを託されることになったのは、松波 正信強化アカデミー部長である。
G大阪がクラブ史上初のJ2降格を余儀なくされた2012年にもシーズン途中で監督に就任した松波氏。トップチームの指揮を執るのはJ3の鳥取を率いた2015年以来となるが、「本来チームが待つディフェンス面の強みを生かし、攻撃面での改善を期待している」と小野社長。10試合でわずか3得点にあえいでいる攻撃面を活性化させることが喫緊の課題になる。
G大阪は14日から新監督の下、非公開で浦和戦に向けて調整を始めているが、インターバルの短い連戦だけに、大幅にチーム構成が変わることはないはずだ。広島戦では[4-4-2]のフォーメーションが一定の機能性を見せていた上に、懸案だった右SBでも本来はボランチの奥野 耕平が奮闘。まずは守備で大崩れすることなく、浦和を迎え撃ちたい。毎試合ビッグセーブを連発し、孤軍奮闘気味の守護神・東口 順昭が浦和戦に強いことも心強いポイントだ。
そして、必要なのはやはりリスクを恐れない攻撃だ。ここまでの3得点で流れの中からの得点は宇佐美 貴史による1点のみ。レアンドロ ペレイラやパトリックら前線には明確な武器を持つアタッカーがそろっている上に、広島戦では新加入のウェリントン シウバも終盤にG大阪デビューを飾っている。10試合すべてで異なる顔ぶれを送り出していた宮本監督だが、松波新監督には最適解を見いだすことも求められるだろう。
一方の浦和は10位と波に乗り切れていないが、前節は仙台に2-0で勝利。新加入のキャスパー ユンカーが公式戦2試合連続ゴールを奪うなど、早くもその力を見せ始めている。3連勝を飾った第9節・徳島戦を最後に連勝がない浦和だが、監督交代に揺れる宿敵相手に、敵地で勝ちにくるはずだ。G大阪は初顔合わせの外国籍選手に弱いだけに、キャスパー ユンカーの公式戦3連発が誕生するかも注目される。
指揮官の交代をカンフル剤にしたいG大阪と、“ユンカー効果”でさらなる浮上を目指す浦和。意地とプライドを懸けて、激しくぶつかり合うはずだ。
[ 文:下薗 昌記 ]
