ここ最近の湘南は失点数が少なく、負けなしが続いていたが、前々節の横浜FC戦を0-2で落とすと、前節の福岡戦も1-2と逆転負け。複数失点を喫しての連敗となっている。ただ、福岡戦は「オープンプレーの中でいうと、自分たちの良さというのは出せたゲームだった。(2失点を喫した)セットプレーでの反省がありますが、ゲーム全般でいうと良かったと思います。なので次につながる部分も少し出せた」と浮嶋 敏監督は一定の手ごたえを口にした。
一方の川崎Fは前節で横浜FCと対戦し、家長 昭博、田中 碧、三笘 薫がゴールを決めて3-1で勝利。今節は、リーグ記録に並ぶ開幕19戦無敗、鬼木 達監督のJリーグ通算100勝という記録が懸かる。かつてともにS級ライセンスを取得した友人でもある浮嶋監督は達成間近のこの記録について「そういうのは僕らは気にしていない」と笑っていたが、記録を達成する、しないにかかわらず、勝利を許すことはもちろんない。
「今年は練習試合もしましたし、お互いに手の内を分かっている」と浮嶋監督が明かすように、その中で両指揮官がどんな準備を施してくるか。おそらく試合は川崎Fが主導権を握るはず。「間違いなくこのリーグの中で一番力があるチーム」と浮嶋監督も川崎Fをリスペクトするが、「自分たちの力の最大値をしっかりと出した中で良いゲームをして勝ちたい」と勝点3の獲得を目指す。
超攻撃的な相手に対し、CBの舘 幸希は「下がらずに前へプレッシャーに行って自由にやらせないようにしていきたい」と意気込む。湘南の3CBは田中 聡が174cm、石原 広教が169cm、舘が173cmと高さがないことがウィークポイントだが、「アジリティーの高さといった地上戦のところでは強みがある」(舘)。個々の技術が高い川崎Fに対し、「相性としてそこまで悪くない」と自信をのぞかせた。
また、大卒2年目の舘としては同じ大卒2年目の三笘、旗手 怜央が活躍している姿に「自分も」と刺激を受けている。日本大出身の舘は関東大学リーグ2部を主戦場に戦っていた。当時関東大学リーグ1部で活躍していた2人に対し、「三笘選手や旗手選手は大学の中でもナンバーワンと言われていた選手。対戦するのが非常に楽しみですし、抑えたいなという気持ちがある」と静かに闘志を燃やす。
それに2人に負けじと舘自身、成長を感じている部分がある。大卒1年目だった昨季は周りに引っ張られる立場だったが、今季は「自分の良さである1対1の守備を出しつつもやれることが増えてきた」と実感する。具体的には、攻撃参加のシーンや、ほかの選手を動かして自分がどうラクに、効率よく守備をするか。「引っ張られるだけでなく自分で考えてポジションを取ったり、攻撃参加できている」と話しているとおり、実際に舘の攻撃参加は脅威になっている。
攻守にわたって奮闘する舘は湘南に勝利をもたらし、川崎Fに今季初めて土をつけることができるか。偉大な記録達成が懸かる相手だが、ホームで喜ばせるわけにもいかない。勝利を阻止し、川崎Fの勢いを自分たちのものにするような一戦にしたい。
[ 文:舞野 隼大 ]
