横浜FCは直近の第17節・G大阪戦に0-2で敗戦を喫した。5月13日に宮本 恒靖監督との契約を解除し、松波 正信強化アカデミー部長が暫定で指揮を執るG大阪に対し、前半から優位に試合を進めたが、前半終了間際にロングボール1本で裏を取られ、PKを与えて失点。後半も前がかりで攻めたが、スルーパスから追加点を奪われた。G大阪の倍以上となる15本のシュートを放つもミドルシュートが多く、決定機は少なかった。
早川 知伸監督は「ペナルティーエリアの前でラインを作られて、最終ラインを突破できなかった。相手ゴールに向かう、仕掛けるところはもっとできたと思う」と、「力を出し切れなかった」ことに苦い表情を浮かべた。ただ、攻撃もさることながら、リーグワースト失点の守備の課題も大きい。特に川崎Fとの前回対戦を含め、ここ3試合すべてで相手にPKを与えている。コンビネーションから三笘 薫にスピードでペナルティーエリアに進入された川崎F戦はともかく、第16節の福岡戦もG大阪戦も、シュートに持ち込まれそうでもない状況で後ろから接触している点は気になる。若い選手の経験不足と言ってしまえばそれまでだが、どう対応すべきか意識を徹底させたいところだ。
川崎Fの直近試合は第17節・鹿島戦。後半アディショナルタイムに小林 悠がゴールを決め、劇的な勝利を挙げた。前半にレアンドロ ダミアンのゴールで幸先よく先制するも、鹿島の激しい圧力によって次第に押され、後半に追いつかれる苦しい展開に。しかし、途中出場の小林が試合とゴールへの飢えを終了間際に結実させた。J1リーグ戦連続無敗記録を25試合に伸ばし、その前の試合での引き分けによる停滞感を払しょくする勝利だった。
ただ、川崎Fは強豪チームの宿命というべきか、日本代表に谷口 彰悟、山根 視来、U-24日本代表に三笘 薫、旗手 怜央、田中 碧が招集されてこの試合は不在となる。旗手がケガをしていた時期があった以外、この5人は多くの試合で先発出場している主力だけに、その影響が懸念される。実際、レアンドロ ダミアンや家長 昭博、ジェジエウ、ジョアン シミッチらをベンチスタート、または温存した第20節の仙台戦、第16節の湘南戦では下位を相手に引き分けと苦戦した。
一方の横浜FCも厚いとはいえない選手層で、JリーグYBCルヴァンカップも含めて2週間で5試合をこなしたあとだけに、メンバー編成は苦労しそうだ。しかも先週、相次いで2名の選手が新型コロナウイルス感染症に感染したことを発表するなど台所事情は苦しさを増している。G大阪戦で後半に追撃し切れなかった要因の1つには、今節まで見据えてメンバーを入れ替えざるを得なかったこともあるだろう。
勝点7しか挙げられず、最下位に沈む横浜FCはもちろん苦しいが、川崎Fも万全ではない。ホームでプロの意地にかけ、横浜FCが番狂わせを狙う。
[ 文:芥川 和久 ]
