昨季までの主力が大幅に入れ替わり、チームの土台を固められないまま開幕から苦しんできた大分。代表ウィークで3週間弱の中断期間を経た中、天皇杯2回戦・ホンダロックSC戦(3○2)では戦力の底上げも進め、前節・札幌戦は期待を高めて3連戦の初戦に臨んだ。しかし、相手とのミラーゲームでほとんど狙いを表現できず、0-2で敗れた。
J2降格圏から抜け出すにあたり、消化試合数にバラつきはあるものの、15位の清水までは射程圏内。1勝、2勝すれば浮上できる状況で、できるだけ早く勝点を積んでおきたいところだ。入れ代わり立ち代わりで負傷者が出ていることや、シーズン途中で合流した新外国籍選手2人のフィットが途上であることなど、難しい条件も多い。だが、J1残留のためにはホームでもアウェイでも、なりふり構わず勝点を拾いにいく姿勢が問われる立場だ。
特に2試合連続で3バックのセンターを務めているエンリケ トレヴィザンの組織へのフィットは急務。個での強度が高い攻撃陣にクロスや浮き球を多く供給してくる鹿島への対応が期待されるが、周囲との意思疎通やスピード面ではまだ課題があり、守備網にほころびを生む一因ともなっている。
今節は相手が4バックシステムのため、札幌戦のマッチアップとは大きく異なる。その中で、どのように攻撃を組み立てるかも、チーム内の共有を徹底しておきたい。長沢 駿と町田 也真人がここまで4得点しているが、昨季6得点の髙澤 優也や3得点の伊佐 耕平、今季加入した渡邉 新太らの奮起も求められる。
一方の鹿島は前節、調子を上げている仙台と戦った。力強く攻めながらも相手の粘り強い対応に遭い、逆に守備の連係ミスから先制点を献上。だが、終了間際にファン アラーノのクロスがそのままゴールへと吸い込まれ、劇的な同点決着となった。公式戦連勝は『3』でストップしたが、したたかに勝点1を積んだ。
昨季以来、世代交代や新たなスタイルを進めてきたザーゴ監督からチームを引き継いだ相馬 直樹監督。新指揮官はうまくその要素を残しながら、指揮を執った第10節から6戦無敗と好調を維持。第15節・鳥栖戦で1-2と初黒星を喫してからはやや当初の勢いが落ちているが、仙台戦に続き下位に沈む相手との一戦で今度は勝星を挙げて、再び波に乗りたいところだ。
ディエゴ ピトゥカもフィットし、攻守に強度の高いサッカーを展開する鹿島に対し、チーム状態の良くない大分がどれだけ狙いを表現できるかがポイントとなる。入場時にはベンチコートが必要だった札幌から、うだる暑さの大分へと戻ってきた選手たちのコンディションも気がかりだ。泥臭くても勝点を奪う気概を、ホームスタジアムのピッチで示したい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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