鳥栖は現在、リーグ戦4試合勝ちなしとシーズン序盤に見せた勢いに陰りが見え始めている。直近はアウェイで広島と対戦したが、ミドルブロックを敷く広島に対して思うようにボールを前進できずに苦しむと、後半にミスから失点。敗色濃厚の展開だったが、終了間際に途中出場の酒井 宣福が同点ゴールを奪い、なんとか勝点1をもぎ取った。7日には天皇杯3回戦で福岡との“九州ダービー”に臨み、勝利を挙げたが、チャンスをなかなか生かせずに1得点にとどまった。最後に複数得点を挙げたのは5月22日の明治安田J1第15節・鹿島戦までさかのぼるが、今節はその試合以来のリーグ戦でのホームゲーム。得点力不足の暗雲が立ち込め始めているだけに、ホームの後押しを背にひさびさの複数得点と勝利を狙いたい。
一方の名古屋は6月22日から7月7日までタイでAFCチャンピオンズリーグのグループステージに挑んだ。隔離措置に加え、中2日で6試合を戦うという過酷なスケジュールの中で5勝1分と堂々たる成績を残し、グループステージ首位通過を果たしている。しかし、帰国後も厳しいスケジュールが待っていた。14日には天皇杯3回戦・岡山戦が設定されており、そこから中2日でこの試合を迎える。岡山戦は前半終了時に雷雨により中断し、再開を待ったが結局試合は中止となってしまった。今節は帰国後初のアウェイゲームとなるが、スポーツ庁との取り決めにより、海外から帰国後14日間は外部との接触を遮断するバブル方式を講じることになっている。アウェイへの移動の際にも適用され、公共交通機関の利用ができない。そのため名古屋から鳥栖までの距離、約800kmをバスで移動することが想定される。名古屋にとっては厳しい条件下での試合となりそうだ。
両者の前回対戦は第10節。当時、無失点継続時間のJリーグ記録を更新中だった名古屋に対して、鳥栖が開始早々に林 大地の得点で先制すると、前半終了間際には酒井が追加点を奪い、2-1で勝利。名古屋の記録を止めるとともに、シーズン初黒星もつけた。鳥栖としては前回対戦同様にサイドで起点を作り、堅守の名古屋から得点を奪いたい。
鳥栖は林、名古屋は相馬 勇紀とそれぞれ東京五輪日本代表に選出された選手がおり、少なからずメンバー編成には変更が加えられる。ともにリーグ戦では同じ顔ぶれが並ぶことが多いだけに、この機会を生かして台頭する選手の出現にも期待したい。
鳥栖が勝って勝点で名古屋と並ぶのか。それとも、名古屋が厳しい条件をはねのけて前回対戦のリベンジを果たすのか。失点が少ない両者だけに先制点が勝敗のカギを握るだろう。
[ 文:杉山 文宣 ]
