前半戦は柏の大勝だった。開始早々に呉屋 大翔(現・大分)が先制点を奪い、江坂 任(現・浦和)と椎橋 慧也が追加点を挙げて前半のうちにリードを広げると、終わってみれば5得点で快勝。徳島は宮代 大聖が辛うじて1点を返したものの、完敗としか表現できない展開だった。
あの日から約4カ月。両者とも顔ぶれも戦い方も大きく変化しつつある。
前回対戦時、徳島はコロナ禍で入国が遅れたダニエル ポヤトス監督にとって、連戦かつ公式戦3試合目(JリーグYBCルヴァンカップ含む)の指揮という準備期間がほとんどない状況だった。その時と比べると、指揮官がイメージする戦い方はおおよそ共有されており、そこに加えて選手たちの意見も落とし込まれて組織としての調整を終えた状況にある。また、入国が遅れたカカも加わり、負傷離脱の影響でベンチ外だった西谷 和希もコンディションを上げて戦列復帰。同じくベンチ外だった渡井 理己も、いまは万全の状態で出場機会を増やしている。チームとしても「自分たちのやりたいサッカーが少しずつ形になってきているのはすごく実感している」(福岡 将太)と、7月のリーグ中断前後から大きく変化し始めている。
対する柏も大きく変化した。特にメンバー編成が変化した中で、日増しにチームのフィット感は増してきている。前回対戦時はキム スンギュを除く先発メンバーが日本人という構成だったが、最近はペドロ ハウルやクリスティアーノ、ヒシャルジソンなどの外国籍選手が躍動している。シーズン序盤戦は黒星が続いて苦戦している様子もうかがえたが、2-1の勝利を飾った明治安田J1第22節・鹿島戦からは上昇傾向。後半戦、柏が台風の目になりそうな勢いもある。
次は試合の展望を見ていこう。
前回対戦時もそうだったが、徳島のファーストチョイスはゲームを支配するためのボール保持だろう。そこに対して柏はある程度自由に持たせ、奪ってから縦に早い攻撃や外国籍選手を中心とした個の能力も生かしながらダイナミックな展開を仕掛けてくることは想像がつく。ホームの徳島としては、苦手とするカウンター攻撃をまずは阻止したい。前節・浦和戦のようにうまくコントロールできているように見えても、一瞬のスキを与えれば失点に直結するのがJ1の怖さだ。
16位・徳島と15位・柏の勝点差はわずかに『1』。また、J2降格圏の17位以下も勝点をジワジワと伸ばしてきている。負けられない直接対決ながら、勝点3が求められる。非常にシビアで、難しい試合運びになりそうだ。
[ 文:柏原 敏 ]


