「アイツらだけには負けるな」。G大阪、C大阪の育成組織の選手がともに叩き込まれるのは、同じ大阪の名をクラブ名に持つライバルへの対抗心。数多くの熱い戦いを繰り広げてきた両者だが、今回の顔合わせも、また特別な意味を持つ一戦になりそうだ。
近年、一方が上位にいれば一方は下位で苦しむなど、対照的な立ち位置で激突することが多かった大阪の両雄。しかし、今季はG大阪が13位なのに対して、C大阪は12位。勝点は30で並んでいる。
チーム状況において、下降線をたどっていることも共通している。G大阪はここ2試合で1分1敗。しかも、前節は最下位につけていた横浜FCに1-3で完敗を喫している。佐藤 瑶大が前半終了間際に一発退場するエクスキューズはあったものの、放ったシュートはわずかに6本。攻守両面において低調な内容で試合を終えた。「どうしても勝点を失うとネガティブな要素が出てしまうので、そこをしっかりとリカバーしないといけない」と松波 正信監督は話した。ただ、横浜FC戦はキム ヨングォンと山本 悠樹が完全温存され、倉田 秋、昌子 源も後半から出場するなど、C大阪との大一番を見据えたターンオーバーがなされていたのも事実である。
そして、5月に行われた敵地での“大阪ダービー”で同点弾を決めているパトリックに関しては、コンディションの問題でベンチ外が続いている。「順調にはきているんですけど、最後のところの調整というところで、明日(26日)少し確認してゴーサインが出るかどうか、というところ」(松波監督)。攻守に欠かせないパトリックの復帰の有無が、勝敗を大きく左右するファクターになることは間違いない。
今回はC大阪にとっても、勝点3以上の意味を持つ“大阪ダービー”である。前節はホームで湘南に1-5で惨敗。試合後に「解決策として、例えば、私の存在そのものが問題なのかもしれません」と衝撃的な言葉を口にしたレヴィー クルピ監督だったが、C大阪は26日に指揮官との契約解除を発表。コーチを務めていた小菊 昭雄氏の就任が発表され、新体制で敵地へ乗り込んで来ることになる。「上位を目指し、強い覚悟を持って、今季の残りをチーム一丸となって戦い抜くことをお約束いたします」とコメントした小菊新監督だが、崩壊気味の守備組織を中2日でいかに立て直すのか。
この戦いを皮切りに、JリーグYBCルヴァンカップの準々決勝でも激突する大阪の両雄。かつて例がない“大阪夏の陣3連戦”の初戦が、いよいよ幕を切って落とされる。
[ 文:下薗 昌記 ]
