横浜FCは生き残りを懸けた状況が続いている。勝点19で最下位に甘んじており、J1残留圏内の16位・湘南とは勝点差8と開いており、もうあとがない。前節は横浜FMとの“横浜ダービー”に臨み、38分にサウロ ミネイロのゴールで先制したものの、後半に逆転を許してしまう。それでも最後まであきらめずに戦うと、89分に再びサウロ ミネイロがゴールネットを揺らし、土壇場で勝点1をもぎ取る粘りを見せた。これには早川 知伸監督も「逆転されたあとも選手たちが集中力を切らさずに戦ったことで同点にもなりましたし、最後まで本当によくファイトしてくれたと思います」と評価し、駆けつけたサポーターに対しても「三ツ沢を水色にして、ホームの雰囲気を作ってくれたことで、あきらめずに戦えました」と感謝を口にしていた。
前回対戦では鹿島が3-0で完勝を収めたが、そのときから横浜FCはチームの姿を大きく変えている。ゴールマウスにはスベンド ブローダーセンが入り、前線ではサウロ ミネイロが存在感を放つ。ガブリエウが前々節のFC東京戦で負傷してしまい、今節の出場も微妙なところなのは残念だが、システムも前回の[4-4-2]から[3-4-3]に変わっている。鹿島としては、別チームと対戦する想定で準備しなければいけない。
鹿島は第32節で川崎Fに敗れた悔しさを前節・C大阪戦にぶつけ、上田 綺世の2得点で逆転勝利を収めた。松村 優太やアルトゥール カイキなど、ひさびさに先発の機会を得た選手も持ち味を発揮し、チームに新鮮な風を吹き込んだ。今季11点目を決めた上田は2年連続で2ケタゴールをマークしたが、「シーズンを通して7割、8割くらい出られるような調整やパフォーマンスができていかないと難しいというか、チームを優勝に導くには他力なところも出てきてしまうと思います」と、ケガなどで思うように出場試合数を伸ばせなかったことを今後の課題に挙げていた。
昨季までは若手の1人だった上田や荒木 遼太郎が攻撃の中心選手となり、守備では町田 浩樹と沖 悠哉に続き、常本 佳吾や関川 郁万も独り立ちしようとしている。彼らがさらなる飛躍を遂げるためにも、AFCチャンピオンズリーグの出場権を獲得できるかどうかは大きな違いを生む。
どちらも終盤戦に向けて、もう1段階チームの結束力を高めるためにも、勝点3が欲しいところだ。
[ 文:田中 滋 ]

