鳥栖は現在、得点を奪えずに3試合勝ちなし。直近2試合はともに3失点と苦しい状況が続く。明治安田J1第29節・大分戦は結果こそ引き分けに終わったが、決定機は数多く作れており、ピンチもほとんどなかった。無得点という部分は個人の決定力に依存する部分も多く、過度に気にする必要はないが、守備については事情が違っている。
特に問題となっているのは直近2試合だ。スペースを消して守る相手を攻めあぐねて、カウンターを浴びるという形が続いている。前々節・福岡戦は個人のミスが失点の起因となり、点を取り返そうとして前がかりになってカウンターから失点を重ねるという流れだった。前節・徳島戦ではスコアがイーブンな状況ながら前がかりになり過ぎ、後方のスペースを簡単に使われて3失点。福岡戦以上に自滅という印象の強い、今季ワーストとも言える試合を演じてしまった。戦術面の問題というよりは選手たちに勝ち急ぐようなプレーが目立っているだけに、まずは落ち着きを取り戻したい。代表活動による2週間の中断期間でどのように立て直したかに注目したいところだ。
一方の湘南は前節、ホームで横浜FMと対戦。序盤から守備でうまく制限をかけながらペースを握り、優位に試合を進めたが決定力を欠き、得点を奪えない。逆に後半、一瞬のスキを突かれて仲川 輝人の突破から前田 大然に得点を許すと、これが決勝点となり2連敗となってしまった。山口 智新監督を迎えて、これでリーグ戦は4試合勝ちなし。順位もJ2降格圏内に転落したが、直近の2試合では川崎F、横浜FMと優勝争いを繰り広げる両者を相手に主導権を握る時間を長く作るなど、内容は悪くない。チャンスをモノにできず、逆に相手の決定機では粘り切れず。両ゴール前での勝負弱さが内容と結果がリンクしない最大要因になってしまっているだけに、選手たちの奮起が必要だろう。
ACL出場権獲得となる3位との勝点差は『6』。残り7試合ということも考えれば、鳥栖にとってはまさにここが踏ん張りどころとなる。一方の湘南も今節は他会場で横浜FC対徳島、大分対仙台と残留争いの直接対決が行われるだけに、つぶし合いの最中でしっかり勝点3をモノにしたい。山口監督体制初勝利となれば勢いも生まれるだけに、不調の鳥栖を叩きたいところだ。
金 明輝監督と山口監督は現役時代にCBとしてともにプレーした元チームメート。現役時代のキャリアは山口監督が大きく上回るが、監督としては金 明輝監督が先にスタートし、確かな実績を積み上げてきている。両指揮官がどんな駆け引きを見せるのかにも注目したい。
掲げる目標へ踏みとどまるために必要な勝点3を手中に収めるのはどちらになるのだろうか。
[ 文:杉山 文宣 ]
