そんな手に汗握るシチュエーションで、今節は18位の大分が19位の仙台を昭和電工ドーム大分に迎える。両者の勝点差はわずか『1』。大分はここまでリーグワーストの21得点、仙台はブービーの24得点。失点数も大分が48、仙台が50でリーグ18位と19位に並んでおり、ここまでの戦いの厳しさが数字に表れている。
前節は仙台が柏と引き分けたほか、横浜FCと徳島が勝点3を積んだため、最後にキックオフした大分は暫定最下位でC大阪と対峙した。敗れれば下位に取り残される局面だったが、立ち上がりから積極的に攻め、粘り強く守って町田 也真人の先制弾による1点を守り切り勝利。残留圏である16位・徳島との勝点差は大分が『5』、仙台が『6』となった状態で、今節はなんとしてもその差を詰めたいチーム同士、心理戦にもなってきそうだ。
大分は9月以降、2勝1分1敗と上り調子。過密日程に苦しみながらコツコツと積み上げ、戦術や選手起用の幅も広げた成果が、ここに来てようやく勝点へと結実し始めている。今節の仙台を皮切りに、次節はアウェイで16位の徳島、第35節はホームでG大阪、第37節にホームで横浜FC、最終節にアウェイで柏と、現在残留争いに名を連ねるチームとの直接対決が多く控えており、その“シックスポイントマッチ”を制していければ、残留を手繰り寄せることもできそうだ。
一方の仙台は現在3戦未勝利状態だが、10日に実施したJ3岩手との45分×2本のトレーニングマッチに5-0と大勝。今季は出場機会に恵まれずにいた佐々木 匠が2得点を挙げるなど攻撃で存在感を示すとともに、守備でも無失点という結果に手ごたえを得た。もとより攻撃陣は多彩な実力派揃い。選手交代で流れを引き寄せて勝利したホームでの前回対戦のように、ここ数試合でぐっと安定感を増した大分の守備を上回りたいところだ。
セットプレーも含め、いかにチャンスで仕留めピンチをしのぎ切るかという局面での結果が、通常以上にものを言うことになるヒリヒリした一戦。大分の長沢 駿と仙台の福森 直也は、こんな状況でそれぞれ、古巣対戦に臨むことになる。片野坂 知宏監督は2002年に仙台でプレーしており、手倉森 誠監督は2001年から3シーズン、コーチングスタッフとして大分を支えた。長く応援しているサポーターにとっても思い入れのある面々かと思われるが、今節はこのリーグに生き残るため一切の甘さを排除し、ただひたむきに自軍の勝利を目指して競う。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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