「最後追いついたというところは、選手たちが非常に勝利への執念を見せてくれたんじゃないかなと思います」。松波 正信監督は、前節の浦和戦後にこう振り返った。
浦和にシュート20本を放たれた劣勢の一戦は、後半アディショナルタイムにPKで先制を許したものの、G大阪もその直後にPKをゲット。パトリックが冷静に蹴り込んで、土壇場で勝点1をつかみ取った。
「終盤の失点から追いついたので良い勝点だと思う」と、神がかったセーブを連発した東口 順昭も勝点1の重みに一定の満足感は示したものの、チームはいまだにJ1残留争いから完全に抜け出し切れてはいないのが実情だ。
今季二度目となったクラブ練習場での公開練習はオフ明けだけに軽めのメニューが主体だったが、コンディションの問題でメンバー外が続いていたチアゴ アウベスが合流。古巣との戦いに向けて調整を進めている。また、浦和戦では韓国代表から合流したばかりのキム ヨングォンがベンチ入りにとどまったが、今節へ向けて大きな問題はなさそうだ。
浦和戦では前線からの守備を重視し、白井 陽斗をJ1初先発に抜擢。フォーメーションも[4-4-2]にスイッチした。「受ける状態が長過ぎたのは課題だけど、それで失点しなかったのは今までと比べると多少は成長したところ」と、東口はチーム全体の守備意識の高さに一定の手ごたえは感じている。ただ、組織的な守備でPKの1失点に食いとどめたというよりは、“戦術東口”が奏功したと見るべきだろう。
「ボールを奪ったあとの攻撃、ボールを握ったときの攻撃をもう少し構築していければ」と松波監督もチームの課題を口にするが、鳥栖戦ではいかに攻撃で狙いのある形を披露できるかに注目したい。また、2試合連続ゴール中のパトリックは今節においても勝利のカギを握る存在になるはずだ。
心強いのは、浦和戦で公式戦では7月のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)以来の戦線復帰を果たした福田 湧矢が、キレのあるプレーを見せたことだ。負傷者の続出により攻撃でギアを上げるカードが少ない現状だけに、ドリブルで局面を打開できる福田は指揮官にとって心強い選択肢になるはずだ。
ACL出場に向けて可能性を残す鳥栖にとっても、勝点3が必要な戦いになる。前節はG大阪同様、先手をとられながらも粘り強くドローに持ち込み、勝点1をゲット。連敗をストップしたのは収穫だが、「最高の雰囲気の中でゲームをさせてもらって、勝点3を取れずに申し訳ないなと思っている」と金 明輝監督。4試合勝利から遠ざかっている現状にピリオドを打つべく、敵地に乗り込んでくるはずだ。
4月14日に鳥栖のホームで行われた一戦は、宇佐美 貴史の今季初ゴールで1-0とG大阪が勝利。G大阪が返り討ちを果たすのか、鳥栖がリベンジに成功するのか。立ち位置こそ異なるが、勝点3を目指す思いに変わりはない。
[ 文:下薗 昌記 ]
