横浜FMの前節は、悪い出来ではなかった。課題だった試合の入りは9月以降ではベスト。全員が距離感を意識したことでテンポよくボールをつなぎ、敵陣で試合を進めた。しかし、決定力が足りない。20本のシュートの多くは枠を捉えられず、決定機をモノにできない。逆に55分、G大阪にこの日唯一の枠内シュートを決められ、今季初の連敗を喫した。そして、前節で引き分けた川崎Fの優勝が決まった。
今後の現実的な目標としては、来季のAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得となる。さらに言えば、本大会グループステージにストレートインとなる2位確定が求められる。残り4試合で3位・神戸との勝点差は『8』。余裕があるようにも思えるが、今月末には敵地で神戸との直接対決が控え、川崎Fとの最終節を残しており、今節を含めた2戦で可能な限り勝点を積み上げるのがベストなシナリオだろう。
34試合を消化した時点で積み上げた勝点は『72』。これは全34試合で優勝した2019年の『70』を上回る。ただ、優勝を逃したことで満足感はない。小池 龍太は言う。
「成績はずっと残るし、そこにポジティブな気持ちは持っているが、この数字をどれだけ伸ばせるか。勝負強さを身につけていれば、もっと川崎Fにプレッシャーを与えられた。だから勝負強さ、勝者のメンタリティーを見せる4試合にしたい」 昨季、ベスト16で涙を呑んだアジアの舞台に良い形で戻るためにも、今節を含め1試合も無駄にできない。喜田も「(前節で)優勝の可能性がなくなり、サポーターの方たちは悔しかったと思う。だけど、皆さんから悔しい中でもなんとか後押ししようとする思い、空気感は選手に伝わった。その思いをクラブも選手も無駄にしてはいけない。次の試合で自分たちらしいサッカーをして、勝ちにつなげる」と残り試合に向けて意気込んだ。
神戸の結果次第ではあるが、勝てば2位を確定できる可能性がある一戦。クラブの未来のため、サポーターのため、勝利のみを追求する覚悟だ。
対するFC東京は前節、清水に4得点を奪って快勝し、連敗を『3』でストップ。中2日ながら良い形で今節を迎えられるのは確かだろう。一方、横浜FMとは直近2試合で0-4、0-3と大敗しており、分が悪い。ただ、それ以前の長谷川体制での対戦は大量得点が入る中でも、打ち合いを制してきたゲームが多く、それほど苦にしていなかった。横浜FMは直近8試合で7回も先制を許しており、その間、逆転勝ちは二度しかないことを踏まえれば、今節も先手必勝の形が理想。そうなれば、FC東京のカウンターがより効く展開となる。
[ 文:大林 洋平 ]

