アウェイの鹿島は、ここまで20勝6分11敗の勝点66で4位。AFCチャンピオンズリーグ出場権を争ってきた中で、天皇杯の結果次第で出場の可能性が残る位置につけており、最終戦でもこの順位を守りたいところだ。今季のタイトルは逃したが、大舞台への挑戦権に望みをつなぐべく、勝利を目指す。
鹿島は今季途中から指揮を執る相馬 直樹監督の下、安定感を徐々に増して、明治安田J1第33節からは負けなしが続いている。特に守備の堅さが目立っており、GKクォン スンテ、CBの関川 郁万、町田 浩樹が中央で作る三角形は強固。彼らを中心に、ここ3試合は無失点と結果を出している。ボランチではレオ シルバが今節出場停止だが、攻守ともに出足の速い三竿 健斗が出場停止から戻ってくる。さらに中盤の底には、的確にボールを動かせるディエゴ ピトゥカがいる。前線では前節・鳥栖戦で今季14点目を決めた上田 綺世が、パワーとシュートセンスを発揮する。
一方の仙台は、5勝13分19敗の勝点28で19位に沈む。今季は開幕から苦戦し、前々節・湘南戦の結果をもってJ2降格が決定してしまった。これを受け、守備から組織を作ってきた手倉森 誠監督が退任。ヘッドコーチを務めていた原崎 政人新監督の下で残り試合を戦うこととなった。今節は勝っても順位が上がらない状況ではあるが、この苦しいシーズンをともにしてきたサポーターが多く集まるホーム最終戦で意地を見せたい。「最後に応援に来てくれるサポーターに何か熱いものを届けられるように」と吉野 恭平は言葉に力を込める。J2で戦う来季に生かせる財産を、この試合で残そうとしている。
原崎監督は手倉森前監督の方針を継続する意向で、守備配置などの基本原則はそのままに、攻撃時は相手のスペースを突くべきポイントを明確にして整理。その結果、前節・福岡戦では[4-4-2]の基本陣形は同じながら、ボールを奪取したあとにサイドへ散る選手と中央で縦関係になる選手に変化が見られた。まだビルドアップでのミスは見られたため、後半はショートカウンター気味に戦い方を変えて流れをつかむという柔軟さも見せている。上原 力也が長短のパスでボールを動かし、富樫 敬真がスペースに飛び出す。そこに関口 訓充ら中盤の選手が絡む連係を、鹿島戦でさらに磨くことはできるか。
福岡戦で氣田 亮真が2点を決めたセットプレーにも注目点だ。出場停止から復帰する西村 拓真も、「自分たちからアクションを起こしていける」と現在のチーム状態をポジティブに捉える。手堅い鹿島を相手に、現時点でできる攻撃をぶつけられるかどうかが問われる一戦だ。
2021シーズンのフィナーレを飾る一戦。熱い戦いを期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


