清水は前節、浦和と対戦した。浦和に対して2013年を最後に勝利がないという相性の悪さだったが、前半から清水の守備が機能し、ボールを持たれるもののゴール前は徹底的にガード。後半も浦和が支配する展開となり、内容はほとんど変わらない。しかし、90+3分だった。山原 怜音が仕掛け、その横に控えていた中村 慶太にパスが渡ると、中村はワンタッチから技アリのミドルシュート。アウトにかかったボールがゴール左スミに吸い込まれ、清水が劇的展開で勝点3をもぎ取った。
「試合の展開、この状況を考えて、おそらく向こうがボールを保持する時間が増えるだろう。その中で我慢強く、そしてどこかで一発取ってということをプランとして考えていた」という平岡 宏章監督の思惑どおりの展開で、清水は今季初の連勝。残留に王手をかけることになった。
順位を1つ上げた15位・清水は、湘南、徳島と勝点差3で最終節を迎える。清水は今節、引き分け以上で残留を決めることができ、敗れたとしても他会場の結果次第で残留の道はある。だが清水が敗れ、残りの2チームが勝利した場合は降格が決まり、油断はできない状況だ。よって、今節は少なくとも負けない戦いが求められる。2試合連続で完封している守備陣が残留のカギになるだろう。
一方、C大阪の前節・名古屋戦はホーム最終戦。今季限りでの引退を表明している大久保 嘉人が6試合ぶりの先発に入った。67分、前半にも決定機を作っていた柿谷 曜一朗が古巣対決で魅せる。ゴール前でボールを受けると、バイシクルで豪快にゴールを決めた。このゴラッソで名古屋が先制するが80分、FKのこぼれを藤田 直之がダイレクトボレー。こちらも目の覚めるような鮮やかなゴールで同点に追いついた。その7分後のCK、清武 弘嗣のボールを西尾 隆矢が中央で合わせて、逆転に成功した。
「楽しくサッカーができました。あれだけのチャンスもありましたし、『楽しいな』という気持ちでした。『楽しもう』と思って試合に臨んでいたので、最高でした」という大久保の現役最後のホームゲームを飾ることになった。
C大阪としては、この試合に勝利すれば10位浮上の可能性もある。また、今節の1週間後に行われる天皇杯準決勝・浦和戦にはずみをつけるという意味でも、この試合へのモチベーションは高いだろう。天皇杯で2017年シーズン以来の優勝、さらに2年連続のAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得という挑戦に向けて、前節の勢いを維持したい。
[ 文:田中 芳樹 ]

