名古屋にとって今季は完全復活と言っても過言ではない年になった。9年ぶりにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場。日本勢では最高成績となるベスト8に進んだ。またJリーグYBCルヴァンカップではクラブ創設29年目で初めての優勝。国内3大タイトルのうち唯一欠けていたタイトルを獲得した。
今節はその充実した1年を締めくくる最後の試合となるが、名古屋にはまだかなえたい目標が残っている。それは来季のACL出場権獲得。自動的に出場できる3位以内の可能性は前節の逆転負けで雲散霧消したが、4位に滑り込めばまだ可能性はある。
その条件は、名古屋は勝利が必須。なおかつ4位の鹿島が今節で引き分け以下に終われば、名古屋が4位になる。そして川崎Fが天皇杯で優勝すれば、ACLに出場できる。2つの他力本願が重ならないと出場権を得ることはできないが、自分たちがやれることは、最後の浦和戦に勝つことだけ。逆に勝たなければ可能性は薄く、何よりも勝利にフォーカスして戦いたい。
もちろん、得点を挙げなければ勝利はつかみ取れないが、ポイントとなるのは守備。今季、名古屋はリーグ戦で逆転勝利がなく、先制点を奪われると勝率0%というデータがある。これまでのように、まずは守備から試合に入り、チャンスが少なくなっても無失点で試合を進めながら、最適なタイミングで確実に1点を決め切る。今季とてつもない新記録を樹立したシーズン無失点試合数を『20』から『21』に伸ばして戦い終えたい。
選手として注目したいのはGKランゲラック。シュートストップはもちろん、クロスに対応したパンチングは若い選手にぜひ参考にしてもらいたいところ。直近3試合は連続して失点を喫しているがこれは今季最長。しっかり立て直して勝利に貢献したい。
対する浦和もまだ順位が確定していない。5位・名古屋とは勝点差3。7位・鳥栖とも勝点3差をつけている。浦和が5位に上がるためには、4点差での勝利が必要。逆に敗れたら7位に下がる可能性がある。ポゼッションでは浦和が有利だと想定されるが、攻撃力も高く、前半の早めから得点が取れれば、名古屋を上回る可能性はある。
もう1つ、浦和には天皇杯というモチベーションがある。12日に行われる準決勝はホームの埼玉スタジアム2002でC大阪を迎えて戦う。優勝までこぎ着ければ来季のACLに出場することができるため、充実した内容の戦いをしておきたい。
前回対戦は名古屋がACLに向かう直前の第17節で相対し、スコアレスドロー。昨季の豊田スタジアムでは名古屋が前半だけで5得点を挙げ、6-2と圧勝した。浦和としてはそのリベンジを果たしたい。
毎回、何かしらのドラマが起こるリーグ最終戦。終了のホイッスルが鳴る瞬間まで、息の詰まる戦いが繰り広げられそうだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
