前節、アウェイでの鹿島戦に臨んだ鳥栖だったが、ホーム最終戦で気迫を見せる鹿島の前に立ち上がりから劣勢。前半の早い段階で失点を喫すると、最後まで挽回することができずに零封負けを喫した。これによって4位の可能性が消滅。天皇杯の結果次第で可能性があったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場もかなわなくなってしまった。
対する神戸は前節、ホームで横浜FMと対戦。前半に連係ミスから前田 大然に得点を許すと、終盤には仲川 輝人に追加点を奪われ、0-2で敗戦。ホーム最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、名古屋が敗れたために3位が確定し、こちらはACL出場権の獲得に成功。さらにクラブ最高順位だった2016シーズンの7位を大きく更新した。
すでに順位が確定した神戸に対して、鳥栖はまだ順位を上げられる可能性が残っている。神戸に勝利し、浦和が名古屋に敗れれば、スコアに関係なく6位で今季を終えることができる。「勝って順位を上げるチャンスがある。周りからすれば7位と6位は大差ないかもしれないが、僕らにとっては大きな差。そこを目指してしっかり頑張りたい」と金 明輝監督も強調しており、鳥栖にとっては決して消化試合ではない一戦だ。
鳥栖が対神戸で最も警戒するのはカウンターだ。武藤 嘉紀、大迫 勇也の2トップは攻め残りする傾向が強く、相手が不用意にボールを失えば、そこから強力なカウンターを発動できる。「前に2枚残って間延びした状態を作ってきて、カウンターを強みにしていると思う。そこのリスク管理と自分たちが攻撃でしっかりと終われるか。そこは意識してやらないといけない」と仙頭 啓矢もその点について警戒している。ただ、神戸は今節、セルジ サンペールが出場停止。ボール保持時の中心的存在であり、2トップへ長いレンジの縦パスを供給できるだけに、不在の影響は少なくないだろう。チームとして彼の不在をどう補っていくか。三浦 淳寛監督の手腕、チームをどうモチベートしていくのかにも注目したい。
そして、鳥栖には勝たなければならない理由がある。12月1日にクラブは高橋 義希の今季限りでの引退を発表。プロ生活18年のうち16年を鳥栖でプレーしてきた高橋は、クラブにとってまさにレジェンドと言うべき存在。今節でプレーする可能性は高く、試合後には引退セレモニーも準備されている。“ミスター鳥栖”の花道を飾るためにも、やはり勝利は不可欠だろう。
泣いても笑ってもこれが今季の最終戦。鳥栖が勝って6位の可能性を高めることができるか。それとも神戸が3位の力を見せつけるのか。長きにわたり、鳥栖のために走り続けた背番号14のためにも、鳥栖には勝利に対する強い気持ちが求められる。
[ 文:杉山 文宣 ]
